シンハラージャ森林保護区で、幻の猿「カオムラサキラングール」が、土砂降りの夕方現る。




今回は、前回の記事 : シンハラージャ森林保護区で、過酷な25kmハイキングツアー。(目指せ、ライオンズロック!)

の「Part. 2」ということで、過酷な25kmハイキングツアーの後半の内容を語りたい。

まずは、前回のおさらいをしたい

朝の6時からハイキングを始め、シンハラージャ森林保護区内で、最も高いポイントの1つである「ライオンズロック」にも、無事に辿り着いた。

その後、下山し、エントランスから3kmほど離れた位置にある滝までやってきて、ドイツ人夫婦のグループと別れる。

その滝のところへ、最初の僕のガイドが迎えにきたところで、前回の記事の中での話は、終わった。

ハイキングツアーの後半 (15時〜)

結局、この滝の近くの岩場を出発したのは、15時ごろだったかな。

この場所から、エントランスまでは、歩いて帰るつもりだったのだが、3kmほどあるらしく、ガイドは、「バイクに乗って帰ろう。」と言い始める。

こんな細くて、ガタガタの道を彼は、バイクに乗ってやってきたらしい。笑

僕は、歩いた方が、動物に遭遇しやすいと思ったので、「歩いて行こう。」と言ったが、

討論の結果、「バイクに乗って帰りながら、動物も探そう!」という結論になった。

ということで、ガイドの運転するバイクの後ろに乗り、出発すると、30秒後に早くも、動物を発見。笑

バイクを降りて、その対象へと近づいて行く。

食いしん坊な「スリランカオオリス」ちゃんです。

スリランカを周遊する中で、幾度となく出逢ってきた僕と縁のある「スリランカオオリス」だが、シンハラージャで見つけたのは、毛の色がちょっと違った。

紺色みたいな毛の色をしてた。

よく食べるリス

割と動き回るし、少し木の高いところにいて、毛の色が紺色なので、なかなかピントを合わせづらい。

天気も曇っていて、陽の光が弱く、背の高い密林に遮られ、結構くらい環境だった。

普通のリスの4,5倍は大きいので、

きもい』と『可愛い』で、

賛否両論のある「スリランカオオリス」だけど、

僕は、『可愛い』と思う派です。笑

スリランカオオリス」の写真をしばらく撮った後、またバイクに乗って、エントランス (出口) の方へと向かう。

雨が降ってきたので、カメラも、カメラバックに閉まった。

すると、帰ってる途中に、なんかの鳴き声をガイドが、キャッチした。

僕はその音は聞こえたけど、なんの鳴き声なのかさっぱりわからなかったのだが、ガイドは、「サルの鳴き声だ!」と言った。

僕たちの視界には、サルは見えてない。

鳴き声の聞こえた方向へガイドは、バイクを走らせた。

そして、視力2.0以上を誇るガイドが、サルを見つけたのだ。

バイクを降り、2人で、サルをこっそりと、追いかける。

*2人=僕とガイド*

すると、背の高い木のかなり上の方に、サルがいた。

上の写真を見ての通り、かなり見つけづらい。

雨も降っている。

スリランカの固有種であり、絶滅危惧種IB類の「カオムラサキラングール (Purple-faced Langur)」だ。

このサル、滅多に出会えない。

ヒョウと同じくらい会うのが難しい野生動物だ。

なかなか角度が、難しい。

カオムラサキラングールは、目が合うと逃げられてしまう。

なので、バレないように動かないといけないのだが、背の高い木のかなり上の方にいるのだ。

道もなく、近づきようがない。

顔を見上げながら、ひたすらカメラをズームしつつ、ファインダー越しに追いかけてる感じ。

ちょっと目を離せば、すぐいなくなるので、なかなか大変である。

すると、ガイドが、「おい、こっちの方にもいるぞ。」と言って、僕を小声で呼ぶ。

カオムラサキラングールは、何匹も、この周辺にいたのだ。

ただみんなエリア内で、ばらけているので、どれか1匹に絞る必要がある。

良い写真を撮りやすいサルを探したいのだが、サルも動くので、これが、難しい。

それに、あいにくの天気で、曇っていて、雨が普通に降ってる。

常に顔をあげて、カメラをキープしてるので、首がもげそうだ。笑

良い感じで、ピントを合わせられたとしても、真っ黒な顔色のサルだし、葉っぱで光が遮られるので、顔がしっかり写せない。

しばらく、奮闘して、自分の限界だったのが、下の1枚。

カオムラサキラングール

これまでの自分の経験の中でも、最も撮影環境が厳しかった。

葉っぱが生い茂ってるので、マニュアルでしかピントを合わせられない。

サルは、背の高い木の上の方にいて、400mmの望遠レンズでも、アップで撮れない。

天気が悪くて、暗く、雨も降っているし、夕方だ。

撮影対象のサルは、常に動き回る。

だが、個人的には、すごく良い実戦になったというか、カメラのことも、サルのことも、勉強になった。

因みに、雨はこんな感じで強く降っている。

カオムラサキラングールというサルは、サルの中でも、かなり木と木を渡るのが、上手い。

普通のサルの木登りレベルが、3だとすると、彼らは、レベル5ぐらいある。

半端ないスピードで、木と木と移動できる。

地面の上を走るような感じで、木の上を移動するのだ。

しかも、警戒心が強いので、近づけないし、バレたら基本アウト。

雨も結構強く降っていて、自分の直感で、「もう終わり。もう帰らなきゃ。」と思った瞬間があった。

なので、ラスト1枚を撮ったら、僕は、何かに囚われたかのように、

急いでカメラバックにカメラを締まって、レインカバーをかけ、バイクに乗り、エントランスへ向かおうとした。

すると、バイクで走り出した瞬間に、驚くべきほどの猛烈な雨が降ってきたのだ

あのサルの写真を撮ってる時も、「結構強めの雨だなぁ。」と日本での雨を見て思うくらいの強さで降っていた。

だが、それと比にならないくらいで、猛烈なシャワーだった。

道は、こんな感じで、細いガタガタの道を猛烈な土砂降りの中、バイクでエントランスへ向かっていく。

僕は、顔面にシャワーを浴びてる感じで、全然目を開けられなかった。

それは、バイクの運転手であるガイドも同じ。

ガタンガタンとバイクを揺らしながら、いつバイクが倒れてもおかしくない状況で、2人ともノーヘル…。

ガイドが、ヘルメット持ってきてなかった…。

霧で視界も悪く、顔面に降り注ぐシャワーのような雨で、目も開けられない。

もはや、25kmハイクなんて、吹っ飛んでしまうほどのアドベンチャー。

この体験は、言葉だけではちゃんと伝えられないけれど、僕とガイドだけが、わかる凄い体験だった。

正直、本当にいつ事故ってもおかしくない自然環境でのバイク移動だった。

しかも、雨がすごすぎて、途中でバイクに、エンジンがかからなくなったりもした。

そんな状況の中、7分ほどで、なんとか奇跡的に、エントランスに到着。

エントランスの小屋で雨宿りをしていた国立公園のレンジャーの人が、

猛烈な土砂降りの中、ずぶ濡れの僕とガイドが、バイクで、現れて、ビックリ苦笑い。笑

とにかく、カメラバックに入れたカメラも心配なので、一刻も早く宿に戻らなきゃということで、エントランスを抜けて、すぐそばの宿「Sinharaja Forest Edge」に到着。

Sinharaja Forest Edge

関連記事 : デニヤヤ側からアクセスする場合、おすすめの宿は、「Sinharaja Forest Edge」。

宿のところで、ガイドとは、熱い握手を交わして、お別れ。

部屋で、シャワーを浴び、その日は、終わった。

最後に (ツアーの感想)

正直言うと、色々あって濃い1日だった。

僕は、5種類あるツアーの中で、25kmのハイキングコースを選んだ。

朝の6時にスタートして、夕方に帰ってくる10時間のツアーだ。

ライオンズロックへ行って帰ってくるツアーだが、ぶっちゃけ、おすすめしない。

Part.1」の記事を読んだ人は、お分かりかもしれないが、

75ドルで、「これ???」って感じのハイキングコースである。

全部込みで、45ドルなら、おすすめする。

でも、ライオンズロックを訪れるコースは、全く動物がいないし、ただヒルに刺されるだけだ。笑

もし野生動物と出会って、写真を撮ったり、じっくりと観察したいなら、3,4時間のコースが、おすすめ!

詳しくは、下の記事にツアー内容を書いているが。

関連記事 : シンハラージャ森林保護区の現地ツアーの内容と予約方法。(デニヤヤ側から訪れる場合)

僕は、1番長いコースをハイキングして、最も野生動物を見たエリヤは、エントランスから3kmいないのエリヤだ。

逆に、それ以外のエリヤには、ほぼ全くいない。

もっともっと奥の方に行けばいるのかもしれないが、未開拓の場所へ行くには色んなリスクがあるので、申請しても、許可は降りないだろう。

シンハラージャ森林保護区内での僕の経験は、全てこのブログに書いている。

南側のエントランス (デニヤヤ側) から、シンハラージャ森林保護区を訪れる人は、ぜひ、僕の経験を参考にして、素敵なハイキングを楽しんで欲しいなと思う。

関連記事 : シンハラージャ森林保護区へ、デニヤヤ (南側) からの行き方。