Avicii (アヴィーチ) の人気曲「Wake Me Up」の意味は、『死なせてくれ』だった!?




Avicii (アヴィーチー) の最も有名なシングルの一つ“ Wake Me Up ”。

みなさんもご存知の通り、

Avicii こと、Tim Bergling (ティムバーグリング) は、2018年4月20日に、28歳という若さで、この世を去った。

僕は、Tim (ティム) が亡くなってから、彼が生前に、作った曲の歌詞を色々チェックしていたのだが、彼の死後、この曲“ Wake Me Up ”の歌詞に対する見え方が、大きく変わった。

なので、その「新たな解釈」について、解説していきたいと思う。

Avicii はアーティスト名なので、彼本人については、Tim と表記する*

“ Wake Me Up ”の意味とは!?

一般的な歌詞の解釈。

曲名の“ Wake Me Up ”。

日本語にすると、

僕の目を覚ましてくれ

もしくは、 「僕を起こしてくれ」。

これは通常、

ベッドの上などで、眠っていて、夢から覚める時に、使われる言葉」だ。

では、そのまま、

歌詞のサビを直訳してみよう。

So wake me up when it’s all over

全てが終わったときに
僕を起こしてくれ

When I’m wiser and I’m older

もっと経験を重ねて
賢くなったときに

*因みに、ここでの「I’m older」は、「内面がより成熟する」こと。*

だが、これだと、

夢を見て寝てる状態で

自分が年を重ね、より賢くなることになり、なんか違和感を感じてしまう。

なぜなら「ベッドで眠るだけで、自分が賢くなることはないから」だ。

それに、

When it’s all over (全てが終わった時に)」の意味も、よくわからない。

でも、もし僕たち人間は、…

*Avicii の本名は、Tim Bergling*

生きるという夢を見ている」のだとしたら、どうだろう?

人生を生きること自体が、「夢の中」なのだとしたら、

この曲の“ Wake Me Up ”は、

自分の見てる夢 (Tim Bergling としての人生) から、目を覚まさせてくれ』。

つまり、

この人生で、色んな経験を重ね、より賢くなったときに、

僕を死なせてくれという意味にとれないだろうか!?

そう捉えると、「when it’s all over (全て終わった時に)」の意味も、

自分の使命を終えた時に」と解釈することができる。

Avicii – Wake Me Up (2013年)

[ Verse 1 ]

Feeling my way through the darkness

先のわからない人生を
手探りで進みながら

Guided by a beating heart

心の声に導かれ

*これは、『Avicii (=Tim) の直感に従う生き方』を示してる。

アヴィーチは、計画的に生きる人じゃない。常に今を生き、自分の心の声に従う人だ。

来日ライブを3度ドタキャンし、DJを突然引退した結果からも、想像できるだろう。*

I can’t tell where the journey will end

この旅がどこで終わるのか
伝えることはできない

But I know where to start

でも, 始まりはわかってる

確かに、

この旅(=人生)は、どこで終わる(=死ぬ)のか、わからない。

歌詞の「the Journey」を「Tim の人生」に例えると、

確かに、人間は、いつ生まれたのか(自分の生年月日)を知ってるが、自分がいつ死ぬのかわからない。

*稀に自分の生年月日を知らない人もいるが、Avicii(Tim)は、自分の生年月日(1989年9月8日)をわかってる。*

They tell me I’m too young to understand

僕はまだ未熟だから
理解出来ないって

They say I’m caught up in a dream

夢の中にのめり込んでると

この「They」が、具体的にどういう存在を指してるのかわからないが、

「They」が、僕 (歌詞の主人公) に対して、『まだ君は経験が浅いから理解できない。』と、

そして、『僕が夢の中にのめり込んでる囚われてる。』と、伝えてる。

個人的に、この「」は、

「ベッドで寝てる時の夢」ではなく、「人生を生きるという夢」を指してる気がする。

因みに、「人生を生きるという夢」を別の言葉で表現すると、『仮想現実』とも言えよう。

Well life will pass me by
if I don’t open up my eyes

もし僕が目を開けなければ
人生は通り過ぎるだろう

Well that’s fine by me

それでも構わないさ

この目を開けないとは、「現実世界で死ぬこと」も示してる。

もし自分が目を閉じたままなら、人生を確認できないが、それでもいい。

つまり、「僕は死んでもいい」という意味なのだが、

これは、人生での作業 (ex, アルバム作成中など) を中断して、死んだとしても、それでも良いというニュアンスにも感じるし、

自分が目を開けていてもいなくても、この地球の出来事は進行していくのだから。

という意味にも取れる。

[ Chorus ]

So wake me up when it’s all over

だから 目を覚まさせてくれ
全てが終わったときに

When I’m wiser and I’m older

もっと経験を重ねて
賢くなったときに

All this time I was finding myself
And I didn’t know I was lost

今まで 自分探しをしていた
迷ってることも知らずに

So wake me up when it’s all over

だから 目を覚まさせてくれ
全てが終わったときに

When I’m wiser and I’m older

もっと経験を重ねて
賢くなったときに

All this time I was finding myself
And I didn’t know I was lost

今まで 自分探しをしていた
迷ってることも知らずに

(ブレイク)

*この「Chorus (コーラス) の部分」は、後半で、解説してます*

[ Verse 2 ]

I tried carrying the weight of the world
But I only have two hands

世界の重みを支えようとした
でも僕の手は2つしかない

これは、端的に言うと、「人生は有限」だということ。

全てを1人で行うことは出来ない。

一度に全部する事は出来ないのだから、やることと、やらないことを決める必要がある。

I hope I get the chance
To travel the world

世界中を旅する機会が欲しい

But I don’t have any plans

でも, プランがある訳じゃない

人生が有限なのはわかってる。

今、DJ 活動で忙しいが、世界中を旅する機会が欲しい。でも、ちゃんとした計画があるわけじゃない。

Avicii (アヴィーチ) は、2016年に、DJを引退した。

しかも、彼は、引退した後の計画を立てる前に、DJを辞めた。

そして、「Avicii のドキュメンタリー映画 (True Stories)」を見た人は、わかると思うが、

その映画の中で、『俺は、今仕事を辞めた。でも、プランはない。』的なことを話してる。

さらに、アヴィーチ (=Tim) は、DJを引退した後に、アフリカや南米のアマゾンへ数ヶ月間の旅へ出た。

DJをしてる時は、忙し過ぎて、旅する時間がなかったが、DJ を引退し、

その願望を叶えてる

I wish that I could stay
Forever this young

ずっと この若さを
保てたらいいのに

ずっとこの若さを保てたらいいのに。

願望、願い。

Avicii こと、Tim Bergling (ティムバーグリング) は、28才という若さで亡くなる。

肉体的に老ける前に亡くなってる。ずっと若さを保ったわけだ。

彼の願望は、叶ってる

Not afraid to close my eyes

死ぬのは怖れてないさ

Life’s a game made for everyone

人生は みんなのために
作られたゲームだから

And love is the prize

そして, 愛がご褒美だ

Avicii は、人生とは、みんなのために作られたゲームだと言っている。

*だが、これは、Aviciiが、意識的ではなく、無意識に書いた歌詞だと思われる。*

ゲームだから、死ぬのは怖くない」と。

つまり、「地球での死は、本当の自分が死ぬということじゃない」と捉えているわけだ。

もしかしたら人生は、神様が創った魂のゲームだから、

僕たちは、人生をリアルなものに感じているだけかもしれない。笑

実際、僕たちは、「生きるという夢を見ているだけ」なのかも。

[ Chorus ]

So wake me up when it’s all over

だから 目を覚まさせてくれ
全てが終わったときに

When I’m wiser and I’m older

もっと経験を重ねて
賢くなったときに

All this time I was finding myself
And I didn’t know I was lost

今まで 自分探しをしていた
迷ってることも知らず

So wake me up when it’s all over

だから 目を覚まさせてくれ
全てが終わったときに

When I’m wiser and I’m older

もっと経験を重ねて
賢くなったときに

All this time I was finding myself
And I didn’t know I was lost

今まで 自分探しをしていた
迷ってることも知らず

人間は、人生における色んな体験を通して、多くのことを学ぶ。

様々な経験を積んで、より賢くなれるし、内面的に、成長することもできる。

Avicii は、「自分がより賢くなって、内面的にもより成熟したときにそして、全てが終わったとき」に、

僕の目を覚ましてくれ!」と。

今までずっと、『自分とは誰か』を探していたが、本当の自分を見失ってしまっていたことにすら分からなかったんだと。

[ Outro ]

I didn’t know I was lost

迷ってることに
気がつかなかった

I didn’t know I was lost

迷ってることに
気がつかなかった

I didn’t know I was lost

迷ってることに
気がつかなかった

I didn’t know I was lost

迷ってることに
気がつかなかった

(ラストスパート)

I didn’t know I was lost」。

「迷ってることがわからなかった」なんて、日本語として使わないので、正直よくわからないが、

自分は、幻想 (影) を追いかけていて、そのこと (自分が幻想を追いかけていたこと) に、自分自身、気が付かなかった。」という感じだろうか。

歌詞の内容の本質とは、

Tim の『人生の予言書』!?

Wake Me Up ”の歌詞全体を通して書かれてるのは、

Avicii (Tim) の生き方」というか、哲学。

また、彼の心の奥底にある願望だ。

そして、

歌詞には、『2つの願望』が、書かれていた。

1つは

I hope I get the chance
To travel the world

世界中を旅する機会が欲しい

2つ目は

I wish that I could stay
Forever this young

ずっと この若さを
保てたらいいのに

DJ引退後、アフリカへ3ヶ月旅し、南米にも旅へ出てる。

世界中を旅する機会が欲しい」という願望を叶えた。

また、歌詞には、「っと若さを保てたらいいのに」と書かれているが、

28才でこの世を去り、その願望も叶えた。

2013年に書いた曲の歌詞が、2018年5月までの間に、全て叶い、実現してる。

あとから振り返ってみると、この“ Wake Me Up ”という詩(うた)は、

Avicii 本人、つまり、

Tim の予言書』とも言える。

Life’s a game made for everyone.

歌詞の中でも、最も印象的なフレーズの1つ。

〜 Life’s a game made for everyone 〜

人生は、みんなのために作られたゲーム

シンプルな言葉だが、すごく深い。

人生は、神様によって創られた魂のゲーム』とも、表現できるかもしれない。

『人生はゲーム』だと仮定しよう。

だとしたら、

僕たちが現実だと思っているこの世界は、『仮想現実 (夢の中)』のようなものだ。

自分の人生を現実だと捉えてる僕たちは、このゲーム (人生) を『現実』だと錯覚してることになるのだから。

因みに、テスラのCEOであるイーロンマスク氏のように、『僕たちの住んでるこの世界は、仮想現実』の可能性が、かなり高いと考えてる人もいる。

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実際に、人生がゲームであるのかは置いといて、

Avicii は、歌詞の中で、『人生はゲーム』だと書いている

なので、人生のことを『仮想現実』のようなものだと捉えてるわけだ。

少なくとも、歌詞においては。

死とは、夢から覚めること。

仮想現実の世界は、幻なので、夢見てるようなものである。

もし、人生をゲームだと捉えると、

人生で死ぬこと』は、『夢から覚めること』と言い換えることも可能だ。

ゲーム内 (この世) の自分が死ぬと、ゲームオーバーになるので、その瞬間、ゲーム内に入り込んでいた自分の意識は、現実世界 (非物質世界) に引き戻される。

この現象というか、出来事というか、プロセスは、

夢から覚めること」と同じである。

“ Wake Me Up ”の本当の意味

Wake Me Up ”自体の意味ではなく、「目を覚ます」という意味の捉え方が、変わっただけ。

ベットで寝てる時に見てる夢」ではなく、

Tim Bergling の人生という夢 (仮想現実) から、目を覚まさせてくれ

つまり、「僕を死なせてくれ」という解釈だ。

こう捉えてみると、

So wake me up when it’s all over

だから 僕を死なせてくれ
使命を果たし終えた時に

When I’m wiser and I’m older

人生で色んな経験を積んで
より自分自身が成長した時に

といった感じで、

歌詞の前後も、しっくりくる。

因みに、

When It’s all over」というのは、

彼が自分の使命を果たし終えた時とも言えるし、「彼の魂が、今回の人生の中で達成しようとしていた課題が完了した時」という意味にも捉えられる。

もちろんこれはあくまでも、

僕個人の解釈だが、

僕たちが『ベッド寝てる時などに見る夢から覚ましてくれ』という意味よりも、『死なせてくれ』の方が、なんかしっくり来ないだろうか。

この曲の歌詞的にも、Aviciiの逝き方的にも。

*この解釈が正解・不正解というわけではなく、個人的な解釈です*

彼の「死」について思うこと

Wake Me Up ”の歌詞は、

Avicii (Tim) 本人の心からの願いだったのかもしれない。

彼の心の奥底にあった強い願い』。

そして、Tim は、自分の心の奥底にあった願いを全て叶えた。

だから、Tim の人生は、成功した。彼は、使命を果たしたんだ。

僕は彼の死を単なる自殺ではなく、そう捉えようと思う。

Tim は、自分の人生を途中で投げ出した訳ではなく、この物質世界で、彼が今回経験したかった課題を完了し、「自殺」という形で、この世を去ったと。

でも、基本的に、僕は自殺をよくないと思ってる。

理由は、ほとんどの自殺って、自分の人生を途中で放棄して、投げ出すことだから。

自分の人生を放棄して、死んだ人は、また一から人生をやり直すことになると思う。

でも、Aviciiの自殺は、そういう自殺に思えなかった。

彼のドキュメンタリー映画を見たらわかるが、彼の今までの生き方や生きる姿勢は、感銘を受ける。

本当に感心する。

目の前のことを120%で取り組むし、その時の自分に出来ることを精一杯引き出して、頑張る人だった。

普通の人が、80年かけても成し得ないことに、28年間でやり遂げた彼に、僕は、「あっぱれ!」としか言えない。

Tim Bergling, Rest In Peace

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