スリランカ南部の港町で、世界遺産にも登録されている「ゴール (Galle)」。
ショッピングなどで訪れる観光客は多いが、やっぱり、この町の1番の魅力は、この場所で繰り広げられた歴史だと思う。
14世紀に、アラブ人の東方貿易港として栄え、ポルトガルやオランダの影響を受け、築き上げられた歴史ある町。
そんな歴史を少しでも学ぶべく、ゴールのフォート内にある「海洋考古学博物館 (Maritime Archaeology)」を訪れてきた。
ゴール海洋考古学博物館

上の写真が、海洋考古博物館の入り口の外見。
意外と存在感が薄くて、ゴールのフォート内を歩いていても、素通りしてしまうかもしれない。笑
僕は、何回も通り過ぎました。笑
どうでも良いけれど、なんかこの入り口をみた時に、アメリカテキサス州のサンアントニオにある「アラモの砦」を思い出した。

入り口まで来ると、博物館の中が見える。
海洋感のある雰囲気が良い感じ。

この入り口で、入館料を支払う。
大人1人「5ドル」だ。
*子供は、この半額。*
この入館料は、5USドルで固定されていて、スリランカルピーで支払う場合は、その日のレートで、変動する。
因みに、僕の時は、「5ドル=865Rs」だった。

中へ進んでいくと、目の前に、昔の船の模型がある。
船乗るのは嫌いなんだけど、趣ある船は、かっこいいなと思う。

さて、ここからが本格的な博物館のセクションだ。
因みに、元々ここは、オランダ統治時代に倉庫として使われていた場所らしい。
確かにその面影はあった。

これは、かなり昔のスリランカ人の生活の様子。
結構巧みに表現されていて、全然ちゃっちくない。
実際に生で見てみると、迫力を感じた。

昔はこういう船が使われていたらしい。
近くまで行って見たけれど、凄く細長くて、人が乗る場所はかなり狭い。
ただ意外と丈夫そうに感じた。

博物館は、4つのセクションに分かれていて、確かこれは、第二セクションだったかな。

こういう感じで、貿易でやりとりされていた商品の一部が展示されている。

この壺とか、凄かった。
僕は、もっとアフリカとか、中東の交易品とかが展示されてると思っていたのだが、実際は、中国系のものが多かった。
「鄭和 (ていわ)」という、コロンブスよりも前の時代に活躍した航海士との交易品であるようだ。
因みに、鄭和の残した碑文もあるが、本物は、コロンボ国立博物館にあるらしい。

手前のブースには、スパイスが展示されていた。

日本の食品売り場でも、スリランカ産のシナモンが売られているが、15世紀のポルトガルも、このスリランカのシナモンを求めて遥々やってきていたようだ。
この博物館に展示されていたスパイスは、シナモン、胡椒、カルダモン、ナツメグ、クローブ。
関連記事 : スリランカのマータレーで、「スパイスガーデン」を訪問してみた。 (Old Village No.27)
スパイスは地味だけど、大変興味深いものである。
意外と知られてないが、コロンブスもバスコダガマもみんな、スパイスを求めて大航海してる。
大航海時代の影の主役は、スパイス (香辛料) なのだ。

木に掘られたブッダ像も展示されていた。
これは、2004年のスマトラ沖地震の後に発見されたものらしい。
この様式は、タイのスーコタイのものとされている。

博物館を全部見終わると、別の場所から出る。
上の写真の門は、オールドゲート (Old Gate) と言って、
実は、こちらの方が、本来のゲートである。
ゲートの上には、

オランダ東インド会社の紋章がある。
最後に

実際に、ゴールの海洋考古博物館を見学してみて、思ったのは、
意外と展示されてるものが少ないということ。
でも、逆に、1つ1つをゆっくりと見ることが出来た。
2,30分あれば、十分見終わるので、ちょうど良かったかな。
個人的には、海洋考古博物館に行ってみて良かったなぁと思う。
別にそんなに豪華なものが並んでるわけでもないし、展示品も多くないけれど、博物館の雰囲気とか、展示品の置き方とか、僕は好きだった。
ゴールを訪れた時は、是非一度、足を運んでみると良い。

これは、ゴールフォート内の町歩きをした時も感じたことだけど、ゴールって、意外と歴史感のない町だ。
僕は、アフリカのザンジバル島のストーンタウンにも行ったことがあるのだが、ストーンタウンと比較すると、ゴールは、歴史の浅さというか、薄さを感じた。
それが、海洋考古博物館の展示品にも少し表れてるように思う。
ゴールもストーンタウンも、貿易で栄え、アラブ商人やポルトガルの影響を受けた港町なのだが、ストーンタウンの方が、歴史感が凄くある。
もし、もっと異文化の入り混じった独特な歴史の町を感じたいのであれば、僕は、ザンジバル島のストーンタウンを凄くおすすめしたい。
関連記事 : ストーンタウンの街歩きで見えてくる、ザンジバル人の暮らし。
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