Avicii(アヴィーチ)は、自身のシングル以外にもたくさんの楽曲に関わっている。
また自身が「アーティスト」であるため、他のアーティストのため書き下ろすことはないが、共作したものを他のアーティストに譲ったり、CMなどのキャンペーンソングを引き受けたり、他のアーティストのデモを手直ししたり。
そういった楽曲の中には、表にAvicii明記のないもの、しかし裏には記載あるもの。また表にも裏にも記載のない楽曲まで様々ある。
今回は、そういう隠れたAviciiシングルに、光を当ててみたい。
この記事の構成は、
・Aviciiが関わったが、他のアーティストからリリースされたシングル。
・Aviciiとしてのリリースが消滅し(なくなっ)てしまったシングル。
・Aviciiのシングルと噂されていたが実際には違ったシングル。
この三部構成で、楽曲を紹介している。
その内、マドンナとのコラボ曲は、下の記事で詳しく紹介している。
関連記事 : Avicii Vs.マドンナ。我々は『Rebel Heart(心に反逆の意志)』を宿す。
なお、
この記事で紹介する楽曲以外にも、”A Sky Full of Stars“などAviciiシングルはあるが、できるだけより知られてなさそうな楽曲だけに絞らせてもらった。
Aviciiが関わったシングル(リリース日)
1. David Guetta – Yesterday (2014年11月21日)
楽曲クレジットに、「Tim Bergling」の記載あり。
“Lovers On The Sun(太陽のように熱く)”もあるが、それは割と知られているため、今回は省略する。
二人は”Sunshine(太陽の光)”というシングルを2011年にリリースしている。
タイトルだけを見ると、
Aviciiも、David Guettaも、「太陽の民」としての、ご縁でもあるのかなと思ってしまう。
David Guetta – Yesterday (ft. Bebe Rexha) @2015年5月
ボーカルを務める Bebe Rexha(ビービー・レクサ)のライブバージョン。
Aviciiが、このシングルを自身のライブで披露することはなかった。
2. Elle King – Where the Devil Don’t Go (2015年2月13日)
2025年5月16日に、Aviciiのコンピレーションアルバム「Avicii Forever」がリリース。
このアルバムは1曲を除き、過去にAviciiがリリースしたシングルのベスト盤みたいなものだが、その1曲”Let’s Ride Away“のボーカルを務めるのが、彼女。
Elle King(エル・キング)。
この”Where the Devil Don’t Go“は、元々”Mean World“というタイトルとしても、知られていた。
2 – 1. Avicii (ft. Elle King) – Where The Devil Don’t Go | Mean World
このライブ映像は、「Bråvalla Festival 2013 (2013年5月30日)」のもの。
公式にリリースされる二年前から、TimはAviciiのライブで流していた。
しかし楽曲クレジットには、Avicii or Tim Berglingの記載がないため、Elle king(エル・キング)からデモを受け取ったのであろう。
Aviciiはしっくりくる形にはフィニッシュ出来ず、リリースする気配が一向に見えないため、エル・キング側は自分達のチームでこのデモを完成させ、自身のアルバム「Love Stuff」に、収録したのだと思われる。
3. Anderson East – Girlfriend (2018年1月4日)
Aviciiは、2017年、カントリーミュージックの聖地である「ナシュビル」にて、セッションを行なっていた。
その際、数多くのカントリーシンガーが集まり楽曲制作が行われ、いくつかAviciiが自身のSNSアカウントで公開した動画で、公開された楽曲のうちの一つ。
そのときは、”ID(I think I’m in love with your girlfriend)”という仮のタイトルで、Aviciiファンに認知されていた。
しかし、Anderson East(アンダーソン・イースト)が、公式にリリースすることが決まり、その動画は現在視聴できなくなっている。
楽曲クレジットに、「Tim Bergling」の記載あり。
4. HUMAN – GHOST (2018年9月3日)
Tomorrowland 2014にて、初披露。
当時は、ID(I’m Still In Love With Your Ghost)という仮タイトルが、Aviciiファンの間でつけられていた。
4年の時を経て、完成した。
楽曲クレジットに、「Tim Bergling」の記載あり。
Avicii & Daniel Adams-Ray – GHOST
Aviciiの同郷、Daniel Adams-Ray(ダニエル・アダムス・レイ)は、「HUMAN(人間)」という名義にて、再スタートした。
こっちの音源の方が、曲に、躍動感を感じる。
5. HUMAN – LOVE LETTER (2018年11月16日)
楽曲クレジットには、Avicii or Tim Berglingの記載なし。
下の映像では、Timは背後にいる様子しかないので、実際には、このデモにタッチしなかったのかもしれない。
Avicii & Otto Knows – LOVE LETTER
ボーカルの声をかなりいじっているため、シンガーは誰なのかずっと不明だったが、Daniel Adams-Ray(ダニエル・アダムス・レイ)=「HUMAN」のシングルとしてリリース。
デモを、Otto Knows(オットーノウズ)が流しているが、Aviciiは背後に映っているのみ。
2014年は、Aviciiが、最も体調を崩した年でもあり、非常にげっそりしている。
Avicii – Never Forever (ft. Daniel Adams Ray)
Daniel Adams-Ray(ダニエル・アダムス・レイ)と Aviciiのコラボ曲は、”Somewhere In Stockholm“が、2nd アルバム「Stories」に収録されている。
“GHOST“, “LOVE LETTER“は、
「HUMAN」のシングルとしてリリースされたが、どちらからもリリースされなかったデモがID(Never Forever)。
この音源を聴いている限り、Aviciiは、タッチしているようには感じる。
いずれにせよ、リリースは実現しなかった。
しかしもしリリースされていれば、ストリーミング1000万回を超えてきそうな、楽曲の魅力を感じる。
こういう表現の仕方は、あんまり好きじゃないけれど。
6. Moncrieff – I Don’t Know Why (2019年11月29日)
2017年後期には、Aviciiの元にデモ(I Don’t Know Why)が届いていて、Aviciiは、自身のEPに収録したいと考えていたようだ。
しかし2018年、Timが亡くなり、Moncrieff(モンクリフ)はレコーディングのため、LAへ向かう予定も組まれていたようだが、キャンセルとなってしまった。
Avicii – Don’t Know Why (2017 demo)
Timは、女性シンガーがこの曲に合うかどうか試していたようだ。
Moncrieff(モンクリフ)は男性シンガーだが、このデモ(2017)では、女性の声になっている。
「アーティスト」には、「意外性が大事」だと僕は思っている。
「この人からはどんな球が飛んで来るのかわからない」というか、音楽では、「どんな音楽がリリースされるのか、予測が付かない」方が、よりファンを惹きつける要素となる。
もちろん、その人の個性を失わない範囲でだ。
このアーティストは、こういう音楽を作るなというパターンが見えると、消化にかかる時間が短くなる。
そういう楽曲は、すぐに飽きてしまいやすい。
そういった意味で、僕にとって、最も予想できないアーティストが、Aviciiであった。
7. Cam – The Otherside (2020年10月30日)
CamのAviciiとのセッションでの経験が、歌詞から感じる部分がある。
楽曲クレジットに、「Tim Bergling」の記載あり。
Avicii – The Cam (Making Of 2)
2017年に、この”The Otherside“というIDを聞き、歌詞のあるライン———”Welcome to the otherside”から想像したのは、目覚めた“側“の人間と眠っている”側“の人間であった。
その頃、個人的に、映画「マトリックス」を見始めた時期でもあって、赤いピルを飲んだ世界と青いピルを飲んだ世界というように、世界をその2つに分けて考えた時、目覚めた“側”の世界へようこそと歌っている曲なのかなとか勝手に想像していたが、実際は全然違った。
このセッションは、カントリーシンガーである Camにとって、しんどい側面があったようだ。
彼女は、それまで自身をそんなに追い込んで曲作りをしたことがなかったのだろう。
だがこの経験は、彼女にとって、自身の才能がより引き出された経験となったに違いない。
リリースがキャンセルとなった曲
David Guetta & Afrojack & Avicii – Before I say goodbye (ft. Amanda Wilson)
最初で最後の公開となった。
2019年12月5日 @Avicii Tribute Concert。
Timが亡くなる一年前に、再び楽曲の完成に向けて取り掛かっていたところ、Timが亡くなり没にした楽曲。
この詩は彼の死を予見していたのだろうか。
Afrojack, Avicii & David Guetta – Live Your Life (feat. Ne-Yo)
2014年頃、Avicii, Afrojack, David Guettaは、3人でスタジオ入りしている様子をSNSにアップしていたが、その時に取り掛かっていたデモかもしれない。
歌っているのは、Ne-Yo(ニーヨ)の声で、間違いない。
David GuettaとNe-Yo(ニーヨ)は、”Play Hard“という曲でコラボしているので、そこのコネクションは自然である。
個人的には、”Before I say goodbye“より、こっちのバージョンの方が好きかも。
Aviciiシングルではなかった曲
1. Otto Knows – ID (Wasted For A Good Time)
Aviciiっぽさもあり、Aviciiシングルと噂されていた時期があったが、実際は違ったようだ。
2. Sigala – I Want You (ft. Aloe Blacc)
Aloe Blacc(アローブラック)が歌っていることもあり、Aviciiシングルと噂されていたが、アローブラック本人曰く、Sigala(シガーラ)とのコラボ曲のようだ。
この動画のサムネイルは、Kygo(カイゴ)のアルバム「Golden Hour」のシングル”Could You Love Me”に似せて作ってある。
全然、公式チャンネルではなく、素人がアップした音源である。
トロピカル バイブス。
こうやってリークしてしまった以上、おそらく公式なリリースはないだろう。
最後に
デモ (厳選掛け流し)
全10曲。
公式には、リリースされなかった方の音源を、まとめている。
公式にリリース (厳選掛け流し)
全7曲。
Aviciiが制作に関わった曲の内、しれっと公式リリースされていたシングルをまとめている。
関連記事 : [夜宮] アルバム AVICII FOREVER 3 Week(4/25〜5/16)を、勝手に開催!
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