建築は、体験するものである。
今の時代、写真の技術が発達し、実際よりも、写真の方が凄いホテルは、この世に、ごまんとある。
だが、ジェフリーバワの建築は違う。
写真では、彼の建築物の良さを十分に伝えることは不可能だ。
なぜなら、彼が最も凄いのは、『風』と『空間』を操るところだから。
自然と一体化した「へリタンスカンダラマ」へ
① 岩肌がむき出しになったロビー
上の写真のように「自然の岩が露出してる廊下」の写真を見たことある人が多いかもしれない。
このように、元々あった自然をできるだけ残し、その土地の自然にうまく溶け込むように建築されたのが、ホテル「へリタンスカンダラマ (Heritance Kandalama)」だ。
しかも、ただそれだけじゃない。
これは、実際に、この廊下を歩かないと分からないのだが、
この廊下の「風が、超絶心地良い」のだ!
ホテルに泊まって生活してると、ジェフリーバワが、風を操ってることを実感する。
彼が生前、「建築とは体験するものである」と語った意味が、実際に泊まってみると、肌で実感できる。
風を計算するのって、かなり難しいし、多くの建築家は、そこにあんまりこだわってないけど、彼の頭には「常に風の流れがあった」ように思う。
② インフィニティープール
「インフィニティープール」
という言葉を聞くと、
シンガポールの有名なホテル「マリーナベイサンズ」の屋上のあるプールをイメージする人が、多いかもしれない。
今は、世界中にあるインフィニティープールだが、
実は、インフィニティープールの発案者は、ジェフリーバワであり、元祖は、このへリタンスアフンガッラのインフィニティープールらしい。
上の写真のように、プールと湖が繋がってるように見え、プールが永遠に続いてるように感じる。
ジェフリーバワは、プールまでも自然と一体化するように建築した。
写真では何度か見たことがあったが、実際に、インフィニティープールを間近で見てみて、「こりゃすごい。」と思った。
しかも、プールに入って、湖を見ると、すごく心地良い!
もし、へリタンスカンダラマに泊まったら、実際にインフィニティープールに入ってみて、是非、体感してみて欲しい。
③ 絶妙に隙間のある部屋 (密閉されてない)
ジェフリーバワの建築は、ただ自然と一体化するだけじゃなく、デザインもお洒落である。
部屋の中もシンプルで、お洒落で、かなり落ち着く。
個人的に、フォーマルでゴージャスな空間よりも、カジュアルでお洒落な感じが、1番好き。
実際に泊まって見るとわかるのだが、
実は、部屋のドアと地面の間が少し開いている。
しかも、これが絶妙な感じで、
朝になると、鳥のさえずりが、部屋の中へ良い感じに聞こえてくる。
まるで自分が自然の中で寝ているかのように、部屋のクーラーで涼みながら、自然の中にいる体験を出来る。笑
もし部屋を密閉してしまったら、自然から切り離された部屋になっていただろう。
彼の建築は、体験する価値がある!
④ 廊下と森の境目が、よく分からん。笑
廊下も広くて、圧迫感を感じない。
無駄なものも一切なく、シンプルだ。
廊下のすぐ横には、森がある。
部屋のドアと地面の間に隙間があると書いたが、それは、多くのホテルも同じ。
でも、少し若干、広めにそれよりも開いてある。
そして、廊下も閉ざされた空間ではなく、森との境目もよく分からない感じだ。
だから、常に自然の中で、快適に暮らしてる気分になる。
きっと彼には、境界線を明確にしない人なのだろう。
西洋的な考えと真逆な思考だ。
へリタンスカンダラマには、中庭的なものはなくて、森の中の湖のほとりに紛れてるホテルという感じ。
上の写真の木のエリアは、ホテルの裏っ側の森。
この森には、野生の猿が3種類とスリランカオオリスもいる。
これらは、全てホテルの廊下から、撮った写真であるが、絶滅危惧種のカオムラサキラングールも、1,2回見かけた。
すぐに逃げられたけど。
木の蔓が、ホテルを覆い囲んでいて、森と隣り合わせで、常に自然にいる気分を味わえる。
因みに、ジェフリーバワは、時の流れと共に、このホテルが、緑に埋もれるように設計したらしい。
実は、建築だけでなく、飯も美味い!?
建築が凄くて、建築やデザインばかりに注目されるへリタンスカンダラマだが、
実は、ご飯も美味しい!
基本的に、レストランのブッフェスタイルで、種類も豊富で、味も良き。
ご飯に関しては、別の記事で詳しく書いたので、下の記事を参照して欲しい。
関連記事 : バワ建築のホテル「へリタンスカンダラマ」の食事が、最高過ぎた。日本のホテル顔負け!?
二泊三日以上が、おすすめ!
自然と一体化したホテル「へリタンスカンダラマ」は、全長約1kmある。
とにかく、見所がたくさん詰まっていて、二泊三日でも、全部見切れなかった。
ホテルにショピングセンターがあるわけじゃないのに、ホテルがまるで観光地のように多くの魅力があった。
彼の建築を研究したり、リラックスしたり、インスピレーションをもらったり、プールに入ったり、ブログを書いたり、素晴らしい時間を過ごせる。
せっかく、スリランカのど真ん中にある僻地のホテルに来て、一泊二日は、逆に勿体無い。
高級ホテルだが、一泊130USドルから泊まれるし、この建築とご飯の美味しさから考えると、もし日本にあったら、一泊6,8万以上すると思う。
僕は、二泊三日したけれど、最低でも、二泊三日がおすすめだ。
*2019年4月9日〜4月11日に滞在しました*
建築好きは、1週間くらい滞在する価値あると思う。
建築の勉強と考えれば、かなりコスパ良い。
それに、学ぶことたくさんあるし、体験しないと分からないことだらけだ。
「風」と「空間」は、写真ではどうしても伝えられない。
是非、自然と一体化したホテル「へリタンスカンダラマ (Heritance Kandalama)」に泊まってみて、ジェフリーバワの建築を体験してみて欲しい。
デザインに関しては、この記事であまり触れられなかったので、また別の記事で紹介予定です。
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