スリランカが世界に誇るジェフリーバワ建築のホテル「ジェットウィングライトハウス (Jetwing Lighthouse)」。
2019年の4月後半に、僕は、このホテルに一泊してきた。
その時に感じたジェットウィングライトハウスの魅力は、前回記事 (ジェットウィングライトハウスの3つの魅力は、豪華な部屋・海風・螺旋階段!) にしたが、
今回は、前回よりも、建築やデザインの部分にフォーカスして、ジェフリーバワ建築の真髄 (コンセプト) に迫っていきたいなと思う。
ジェットウィングライトハウス内を探索!
バワ建築を観光。
ホテルの部屋にチェックインした後、部屋を出るとすぐに、ホテルの廊下がある。
それが、上の写真なのだが、その方向には歩かずに、まずは、反対方向のラウンジへと向かった。
僕が宿泊した部屋は、ラウンジから1番近かったので、目の前がすぐラウンジだ。笑
昼過ぎのラウンジ。
平日だし、テロ後だし、ということで、お客さんはそんなに多くなかった。
外のスペースに出てみる。
この中で、個人的に気になった部分が、、、
この小さな階段に合わせた長椅子の部分。
しかも、柱の横にランプもある。お洒落〜
実際には長椅子として、利用される機会はほぼないと思うんだけど、1つの工夫として、面白いなぁと思った。
すごく外の空間との仕切りが、はっきりとしてない。
そこが、ジェフリーバワ建築の1つの魅力だと思う。
上の写真の間の通路を抜けると、注目の螺旋階段のある場所なのだけれど、両サイドのある2枚のアートも好き。
色合いが対照的だが、別に左右で、対称的な絵という訳でもない。
それでは、前回の記事では軽くしか紹介できなかったジェフリーバワの友人である「ラキ・セナナヤケ」の作品が飾られた螺旋階段を見ていこう。
2階から1番下の彫刻を見ると、船で攻め込んできたポルトガル軍の様子がよく見える。
シンハラ人 (スリランカ人) から見た、ポルトガル軍って感じ。
逆に下から、上の階を見ると、
ポルトガル軍が、シンハラ人をどんどん攻め込んで侵略して行く様子が伝わってくる。
大胆に表現されてるが、すごくリアルにも感じる。
螺旋階段のオブジェクトを追いかけながら、階段を登っていると、3階へ出た。
3階は、レストランスペースが、2箇所ある。
その廊下と、中庭っていうのかな?
この空間が、ジェフリーバワらしい感じを受ける。
コロンボにあるジェフリーバワの事務所だった場所を改装した「バラダイス ロード ザ ギャラリー カフェ」にも、似たような空間があった。
廊下には、時代を感じる椅子も発見。
廊下の床の色が、柱と屋根の色に合ってる。
螺旋階段を降り、一度、1階の到着ロビーの方へ。
このスペースにも、個人的に、気になるオブジェクトがあった。
上の写真の謎のオブジェ。
なんか謎に溢れてるが、うまく空間に溶け込んでいる。
その壁の上に飾られた4枚の絵とも、相性良き。
あとは、この階段横に掛けられた灰色の画。
見ていて、落ち着く。
それでは、再び階段を登り、部屋の方に戻ろう。
今度は、上の写真の正面の進行方向へ行ってみる。
「ヘリタンスカンダラマ」の時も思ったのだが、
ジェフリーバワ建築のホテルは、『余白』が、ちょうど良い!
だから、圧迫感を感じない。
かといって、広過ぎも感じない。
そのバランスが、絶妙なんだよね。
関連記事 : へリタンスカンダラマに宿泊して、「設計とデザイン」を探検!
あと、使われてる色の数が、少なく統一感がある。
その色合いも、すごくこだわって選ばれてるように感じる。
自然な色合いで、ギラギラしてないし、ずっとその空間に居られる感じを演出してる。
日本人だったら、上の写真の岩を絶対撤去すると思うが、それをその場に溶け込むように、残すところも、すごく好きだ。
プールも、もちろんございます。
上の写真は朝撮ったので、誰も居ないけれど。
でも、プール以外の空間で居心地の良い場所がこのホテルにはたくさんあるから、宿泊しても、プールは、優先順位の最下位の方になりそう。
プール横には、バーがある。
またこのバーも素敵だ。
用具が、錨 (いかり) になっていて、マリン感が出てる。
バーカウンターも、落ち着くデザインだし、椅子にも、こだわりを感じる。
座りやすいように型がある。
日本のお洒落なカフェとか行った時に、よくあるのが、お洒落なんだけど、座り心地が悪い椅子やテーブルだ。
お洒落だけにこだわって、実用性を無視しちゃってるパターン。
その辺は、その建築 or デザインした人の配慮というか、愛というか、思いが現れる部分だと思う。
あと、個人的にすごく好きだなぁと思ったのが、このタオル置き。
シンプルで、お洒落。好きだ。
このプールの奥の方へ行くと、同じ系列の別のホテルがある。
僕が今まで紹介したきたのは、「Jetwing Lighthouse」というホテル。
そして、これから向かおうとしてるのが、「Jetwing Lighthouse Club」というホテル。
名前が似ててややこしいんだけど、部屋の感じも違うし、「Club (クラブ)」の方は、ジェフリーバワ建築ではない。
でも、バワの愛弟子のチャンナ・ダスワッタが設計したホテルで、メインの方と似てる部分も多い。
グレードは、メインの上なので、より高級なのは、メインのホテル「Jetwing Lighthouse」の方。
因みに、どちらのホテルも、別の入り口だが、普通に繋がっていて、クラブの方に泊まっても、ご飯とか、メインの方で食べることもあるようだ。
クラブ棟の方からメイン棟を見たのが、上の写真。
この階段とか、すごく面白いなぁと思った。
シンプルだけど、なかなか思いつかないアイディアな気がする。
サンフランシスコに、上のような道の坂があるけれど。
クラブ棟のエリアの方は、ビーチもある。
泳ぎには適してないけど、プライベートビーチみたいで面白い。
僕は朝に行ったけど、夕方とかも綺麗なんじゃないかな。
ビーチ行った後は、自分が宿泊してない部屋のある棟へ行ってみた。
階段とかも、良い感じなんだよね。
変則的だけど、シンプル。
あんまり日本では、こういう階段を見かけないかも。
続いては、部屋の方を見ていこう。
部屋の中で、個人的に気になったのは、
椅子。
座り心地良かったし、クッションの厚さも、グッド。
あと、部屋の扉の色とデザイン。
ただ彫りを入れて上からペンキ塗っただけだけど、これがあるかないかで、部屋の印象が大きく変わる。
因みに、夜の部屋は、こんな感じ。
1人で宿泊すると、キングサイズのベッドを独り占めすることになるので、カップルや夫婦の方々に、是非おすすめしたいホテルだ。
日が暮れた後に、螺旋階段へ行くと、ライトアップされてるので、また違った雰囲気を味わえる。
最後に
バワ建築のコンセプトとは?
ここまで、たくさんの写真で紹介してきたけれど、正直いまいちピンと来なかったかもしれない。
実際に僕が泊まってみて感じたのは、入り口から部屋へ行くまでの流れが、ワクワクするようにちゃんと考えられてるなぁということ。
そして、ジェフリーバワ建築の大きな特徴の1つのである『風』。
ジェットウィングライトハウスの時は、海のそばだったので、「心地よい海風」を味わえる。
さらに、その土地の自然環境や歴史を取り込んだデザイン。
このホテルは、世界遺産のゴールフォート (ゴールの砦) から車で5分くらいの距離にあり、
ゴールの砦を模した入り口やバーには、錨 (いかり) など、コンセプトが一貫してる。
何よりも、彼の建築には、『愛』を感じる。
宿泊客が素敵な滞在を出来るような工夫がたくさんあり、区切りや境界線を明確にしないとか、宿泊者の体験にフォーカスされ建築されたホテルだと痛感する。
けっこう建築物って、建築家がこうしたいああしたいのエゴだったりするのだが、
ジェフリーバワの建築は、そういう「エゴ」がない。
建築家の「エゴ」ではなく、建築家の『愛』によって生まれた建築物だ。
その土地のものを出来るだけ残して、建築していくことだったり、彼の建築家からは、自然の素晴らしさを感じられる。
ジェフリーバワは生前、「建築は語るものではない。体験するものである。」と語っているが、それは彼の建築したホテルに実際に泊まってみると、すごく痛感する。
本当に、彼の建築を知りたいのなら、写真や動画ではなく、実際に泊まる他ない。
実際に泊まった人にだけ、彼の建築の凄さは、分かるだろう。
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