2015年10月2日(金)に、公式リリースされた Avicii (アヴィーチ)の2ndアルバム”Stories“。
全16曲。収録されているのだが、Avicii がこのアルバムのために用意した、楽曲———ID達は100曲。いや、それ以上あると、AviciiことTim本人が語っている。そのIDというのは、一つの楽曲に対して細分化したものであり、重複しているStem(メロディー、ドロップ、ドラムなどなど)も、もちろんカウントしているはずだ。
しかし、ほぼほぼ一曲としてまとまっているIDだけでも数多い。普通一つのアルバムに100曲以上用意する奇人がどこにいるのだろうか。
Tim君、銀河系を探しても、あなただけだ。
今回はそのアルバム”Stories“のために用意したが、結局、この”Stories“には収録されなかった曲達が、30曲近くある。一つの記事では紹介しきれないので『三部作⑴⑵⑶』の記事として、紹介していきたい。この際、分類に非常に迷ったが、「アーティスト」別に括ることにした。
そして、その『第一弾 ⑴』となるこの記事は、
- Chris Martin(バンド名: Coldplay)
- Tom Odell
- AlunaGeorge(Aluna Francis)
- Alex Ebert(バンド名: Edward Sharpe and the Magnetic Zeros)
この「四大アーティスト」に絞って、漏れたID達を紹介していきたいなと思う。

「四大アーティスト」& Avicii 2015
①.「Chris Martin (from Coldplay)」& Avicii 2015
・Heaven
古びない名曲”A Sky Full Of Stars“と同時期(2014年)に、既に作られていた”Heaven“。
どちらも、AviciiことTimとColdplayことChris Martinの共作である。
最終的には、Timの死後、Aviciiの3rdアルバム「TIM」(2019年6月6日リリース)に収録されることとなった。
初めて公の場でTimが”Heaven“を披露したのは、オーストラリアで行われた Future Music Festival 2015、シドニー会場(2/28)にて。
このライブセットの1曲目にて、初披露され、同フェスティバルでのブリズベン会場(3/7)の、一曲目に流れた楽曲は、後に”Stories“収録曲となる”For A Better Day“だった。
※筆者は、このブリズベン会場のフェスティバルに参加した。※
その後、毎年『春分の日(宇宙元旦)』に3日間アメリカで行われる世界的に有名なフェスの一つ「Ultra Miami 2015」でも”Heaven“を披露し、以来、Avicii ファンの間で最もリリースを期待される曲の一つとなる。
In the studio (スタジオ入り)
この記事の最後の方の「まとめ」の所で、一つインタビュー動画(動画タイトル「Avicii: 60 sessions with Chris Martin, Tom Odell not on Stories, One Direction, etc. [Aug 27, 2015]」)を載せてるが、その動画内でTimは、Chris Martinについて語ってる時間がある。
そこで、「クリスは、10分間飛び跳ねて…」と語る箇所があるのだが、それは、真上の動画内における”一番最後のシーン“のことを、言っているのだと思う。
・True Belieber
Timは、他のアーティストとコラボセッションする際、6,7曲同時に制作していく。
クリスとは、50,60回セッションしたことがあるらしいが(2015年の時点で)、おそらく最初のセッションで曲の基礎部分は作り上げている。
・A Sky Full Of Stars
・Heaven
・True Believer
・Lethal Drug
現時点、ファンが確認できる範囲では、この4曲が当時のセッションで制作されたと思われる。
関連記事 : 天使の悪戯!
“True Belieber“は、2ndアルバム”Stories“に無事収録された。Timも歌っている。
② 「Tom Odell」& Avicii 2015
Can’t Love You Again (New ID)
今思うと、
Timは自身の人生における女性関係について書かれた歌詞の曲を、一つも公式にリリースしていないのではないか。
Tim個人や、Aviciiというアーティスト人生に関連した詩は多いが、元ガールフレンドのために書いた”Let Me Show You Love“。
関連記事 : Avicii New ID「2011(with NERVO」
このシングル”Can’t Love You Again“も、「ラブソング」と言える。
Timの自伝本(Timの死後に出版)には、元ガールフレンドとのメールのやり取りについても触れられているが、なんとなくTimの性格的にも、通じなくもない。
音楽業界のアイコンである以上、自身のリリースした曲の歌詞が、ラブソングであると、Aviciiファンである庶民は、「これはTim自身の恋愛について書かれているのではないか」とか、色々勝手に予想して決めつける人が多発するであろう。それを直感的にわかっていて、Timは「ラブソング」をリリースしてこなかったのかもしれない。それにTimは、長い間仕事人間としての人生を過ごしているため、庶民的な恋愛をする時間はないし、多くの現代の若者のように、それほど恋愛に重きを置いてないようにも思える。
まあそれはさておき、Tom Odell(トム・オデル)とのコラボ曲は、『2曲』。公でプレイされたことがあり、”Can’t Love You Again“の他には、”Love To Hold“というIDも、Tom Odellだと言われている。詳しくは、下記の関連記事の方で触れている。
関連記事 : 天使の悪戯!
③「Aluna Francis(AlunaGeorge)」& Avicii 2015
In Each Other’s Eyes
これはまだ一曲というより、曲の制作中という感じだが、結局、形とはならなかったようだ。
そしてこのセッションの中で形となったのが”What Would I Change It To“であろう。
因みに、Timが歌を口ずさむ横で、ギターを弾いているのは、Mike Einziger(マイク・アインジガー)。Avicii の2つのドキュメンタリー映画でお馴染み、”Wake Me Up“の共作者である。
関連記事 : Avicii (アヴィーチ) の人気曲「Wake Me Up」の意味は、『死なせてくれ』だった!?
What Would I Change It To
甘い一曲”What Would I Change It To“。初披露されたのは、「Ultra Miami 2015」。
2015年3月20日頃だ。この時のAviciiのライブセットは、アルバム”Stories“のプレビュー会的な要素も含んでいて、このIDの他にもいくつか連続で披露されている。厳密にはライブセットでは流しておらず、後に自身のSoundCloudの公式チャンネルにアップロードしたこの時のライブセットの中に、後半(38:05〜)立て続けに、新曲が9曲流れている。
- Can’t you love again(ft.Tom Odell)⇨ ❌ 未だリリースされず(2025年3月時点)。
- For A Better Day(ft.Alex Elbert)
⇨ 2ndアルバム「Stories」収録✅ - Waiting For Love(ft.Simon Aldred)
⇨ 2ndアルバム「Stories」収録 ✅ - City Lights(ft.Noonie Bao)
⇨ 2ndアルバム「Stories」収録 ✅ - Heaven(ft.Simon Aldred)
⇨ 3rdアルバム「TIM」収録 ✅ - Attack(シングル”Sunset Jesus”の前身)
⇨ 2ndアルバム「Stories」収録 ✅ - True Belieber(ft.Chris Martin)
⇨ 2ndアルバム「Stories」収録 ✅ - What Would I Change It To(ft.AlunaGeorge)
⇨ EP「Avici ⑴」収録 ✅ - Can’t Catch Me(ft.Wyclef Jean & Matisyahu)
⇨ 2ndアルバム「Stories」収録 ✅
Avicii – Ultra Music Miami 2015
しかし2ndアルバム”Stories“には収録されず、2017年にEP Avici⑴に収録される形となった。
2015年のバージョンとほぼ変わらないバージョンでの公式リリースとなったが、この”What Would I Change It To“は、Aviciiの音楽観の幅広さ、多様性を示してる楽曲の一つとなっているように思う。
④「Alex Elbert」& Avicii 2015
For A Better Day
2ndアルバム”Stories“収録曲。
初披露は、2014年7月頃。その後Timは病欠のため、半年ほどライブをキャンセルしていて、この年明けに行われた Future Music Festival 2015 にて、復活する。
Chariot (New ID)
Timは「まとめ」のインタビュー動画(2015年8月27日)内にて、Alex Elbertとは6,7曲作ったと語ってるが、現在(2025年3月6日)確認できるのは、”For A Better Day”、この”Chariot“。
そして真下の動画の”Tall“のみである。
後に、”How Many Lovers“も出てくるが、それは2016年のアメリカ横断時に制作された曲であり、その6,7曲には含まれていない。
Tall (New ID)
未だリリースされていない。
“Tall“には、いくつかのバージョンがあり、Timの死後も、複数バージョンがあるようだ。
“Tall” from Avicii
これは、2015年の映像だろうか。Timの体格や服装から考えると、2014年か2015年の頃かな。おそらく場所は、ラスベガス。自分も一度ラスベガスに行ったことがあるが、このホテルの雰囲気からは、ラスベガスのホテルの質感を感じる。あくまでも、推測に過ぎないが。
このID”Tall“を、Tim自身が流している映像は、この時の映像しか、今は確認できない。Timの死後に、Aviciiファンからリクエストが多く、それに応える形で、Alexも”Tall“の音源を、2バージョンの「メロディー」を公開している。
“Tall” from Alex Ebert
個人的には、”Tall“の”バージョン2“よりも
“オリジナルバージョン“の方が好きだ。
ただAlexだけでは、完成まで持ってくのは難しそうなので、Alexとのコラボ曲は今後リリースされる可能性は、非常に低いように思われる。もしリリースされるとしたら、Alexのシングルとして、リリースされることになりそうだ。
まとめ (Avicii 2015)
インタビュー動画
この動画では、
・Aviciiのスケジュール(2015年8月27日頃)
・ツアーについて
・オアシスのノエルのDJへのコメント
・upcoming アルバム”Stories”について
・シングル”For A Better Day“
・Chris Martin(クリスマーティン)
・AlunaGeorgeやTom Odell
・100曲以上のNew ID
・One Direction(ワンダイレクション)との接触
について、英語で語られている。
2ndアルバム”Stories”には、5,60人のアーティストが制作に関わっていると別のインタビューで話していたが、大部分のアーティストとはうまくやれていて、唯一主導権を握れないのは、クリスマーティンだと。
Timは曲制作における、楽曲の元となるStem、アイディアなどたくさん持っているわけだが、そのアイディアを、クリスの前で流す度に、「そこで止めて!そこで止めて!」と言われ、さらに何度も何度もループさせられ、挙げ句の果てに、飛んだり跳ねたりしながら、音楽スタジオの録音ブースに篭る超奇人らしい。
確かに、クリスマーティンとTimのスタジオ入りの動画を見ていると、全然会話が噛み合っていない感じがする。でも音楽は、めっちゃ噛み合ってるのが面白い。
最後に
One Direction

2ndアルバム”Stories“にて、Aviciiは、多くのソングライター、シンガーとコラボする。その中でキーマンとなる人物がいて、Carl Falk(カールフォーク), Rami(ラミ)。
関連記事 :
この2人は、One Directionの全盛期の音楽を大部分担当しており、TimとOne Directionはコネクション的には割と近しい存在であったと言える。
まず、LiamとZaynがTimがアルバム制作で一番忙しい時期にコンタクトしてきたようだが、Tim自身はハリースタイルズに興味があったらしい。上の写真のように接触はあったが、音楽コラボとしては実現しなかった。
お互いに多忙で個人としての接触はあっても、One Directionとしての活動とチームAviciiとしての活動は、交差しなかったのかもしれない。
One Direction – 18 (Nicky Romero Remix)
今回は、Aviciiの New ID(未だリリースされていないシングル)を、結果的に『4曲』しか紹介できなかったので、最後におまけとして、One Directionと『EDM』が初めて音楽として実現した瞬間の動画でこの記事を締めくくりたい。
Nicky Romeroによる”Remix(リミックス)”であるが、大変素晴らしいので、ご視聴あれ。
厳選掛け流し
この記事の Aviciiの「エネルギー」をまとめて取り入れたい方は、この”源泉掛け流し“動画も用意しているので、ぜひご活用あれ。
次回の記事からは『5〜10曲』ほどNew IDが紹介される記事が続くので、お楽しみに!
関連記事 : [夜宮] アルバム AVICII FOREVER 3 Week(4/25〜5/16)を、勝手に開催!
コメントを残す