はじめに
2019年12月5日 (木曜日)、
Avicii (本名=Tim Bergling) の故郷であるスウェーデンのストックホルムで開かれた『Avicii Tribute Concert』に行って参りました。
“ 5万5000万枚のチケットが、販売開始30分で、全て売り切れる ”という非常に限られた切符を手にし、これまでも行われたことのない、そして、これから二度と開催されることのない「歴史上、二度とない貴重なコンサート」へ行くチャンスを得られ、大変幸せに感じてます。
また今回のライブも、急なアナウンスで、
さらに、ストックホルム (Timの故郷) のみの開催だったため、チケットを買えなかった、もしくは、仕事で行けなかった Avicii ファンも、かなり多かったのではないでしょうか。
正直、このコンサート当日まで、ライブの様子を動画に収めるか、撮らないという選択肢を取るか、ずっと迷っていました。
仕事として誰かに委託されたわけでもなく、個人的に訪れたコンサートだったので、
「動画を撮らずに、一生に一度しかない貴重なライブを、その場できちんと味わうことに、100%注ごうか!?」と。
実際、Avicii の来日ライブの時は、あえて動画を撮りませんでした。
けれど、色々考えた末、
この体験を自分の中だけに、閉じ込めるのではなくて、やっぱり、「日本のAviciiファンの方達と共有したい」という結論に至ったので、動画に収めることにしました。
実際に行った人、行きたかったけど行けなかった人、ただ関心がある人にも、この記事を楽しんでもらえたら、嬉しく思います。
共に、Avicii (アヴィーチ) を、Tim Bergling の人生を祝いましょう。
Avicii Tribute Concert @Stockholm
*一応、流れた順番に、紹介してますが、全部を撮ってはいないので、実際に演奏されたけど、この記事では紹介されてない曲も、いくつかあります。*
1. イントロ : Without You (ft. Sandro Cavazza) [☆要チェック☆]
「出だし」と「3:55〜」に、特に注目!
はじめに、ボーカルの Sandro Cavazza (サンドロカヴァッサ) が登場した時、
僕の目には、サンドロの着ていたジャケットが、目に飛び込んできた。
2016年の3月に、チーム Avicii でアメリカを横断してた時に着てたジャケットだ。
僕は、あの時のアメリカ横断のライブ中継を見ていたし、その時に初めて僕は、Sandro Cavazza と Carl Falk のことを知ったということもあって、
あのジャケットが目に入った時、個人的に、凄くグッと来た。
サンドロとティムの友情を感じた。
そして、曲の後半の Sandro Cavazza の語り。
Feels so strange not to have you here with us tonight,
君が僕たちと一緒にいないのは、変な心地がする。
But tonight is about you. Your music and your legacy.
でも, 今夜は、君の夜だ。君の音楽や君が遺したもの。
So tonight we will all sing for you Tim.
だから今夜、僕たちは皆、君(ティム)のために歌うよ。
この気持ちあるサンドロのスピーチによって、このコンサートに集まった5万8000人の乗った船が、勢い良く出航し始めたのを、僕は会場にいて、肌で感じた。
“ Without You ”, そして、自分のパッションを表に滲み出せるサンドロが、このコンサートの切り込み隊長に、最も相応しいシンガーだったと思う。
2. SOS (ft. Aloe Blacc)
Aloe Blacc (アローブラック) が、Timへの称賛と感謝を述べ、“ SOS ”が始まる。
3. Blessed (ft. Dorothy Sherman, Andy Sherman)
この曲があったことで、
コンサート全体が、明るい方向へ。
しんみりと、ただ悲しむだけのムードよりも、Timを祝福する雰囲気へ向かって行った。
そして、
ステンドガラスのスクリーンに、『聖歌隊』。
この曲の間だけ、観客は、教会の中へと、タイムスリップした。
女性シンガーが、欧米版 渡辺直美で、奇妙な感覚だったが、
この2人が、このコンサートに、違う風・ポジティブな風をもたらしたのは、間違いない。
4. Fade Into Darkness (ft. Andreas Moe) [☆要チェック☆]
感動の一コマ!
間違いなく、“ Avicii – Fade Into Darkness (ft. Andreas Moe) ”のベストバージョンだ。
柔らかく吸い込まれるようなオーケストラの出だし、緩やかなスタート、感動的な曲の後半のフィナーレ。
ボーカルの歌声が、惚れるほどカッコよく、どんなに辛い環境 (暗闇) の中でも、諦めない (光を見出そうとする) 歌詞。
ライブの中で、かなり最初の方に、演奏されたけれど、この曲で、もうコンサートはフィナーレを迎えてしまったのかと思うほどに、感動的なエンディングの気分になった。
そして、ステージに立つシンガー、アーティストが誰も、「携帯の明かりをつけて!」と言ってないのに、
*後半の方の“ The Nights ”の時は、シンガーが、コールしてくれた。*
本当にたくさんの人が、この「We Won’t Fade Into Darkness (僕たちは、暗闇に消え失せはしない。)」という歌詞が流れてる時に、携帯の明かりをつけて、天に照らしていた。
その光景 (上の動画の「3:20〜3:55」) を見て、とても感動した。
僕はその瞬間を見て、この会場に集まった世界中の Avicii ファンは皆、暗闇へ消え失せないことを確信した。
“ Fade Into Darkness (Tribute Concert Version) ”、リリースされたりしないかな…。
個人的には、凄くリリースして欲しい!
5. Ten More Days (ft. Zak Abel) [☆要チェック☆]
個人的に、2時間15分のコンサートの中で、
最も予想外的に良くて、インパクトがあったのは、“ Ten More Days ”だった。
めちゃくちゃ良かった。じわっと来る衝撃!!
ボーカルの Zak Abel が、凄くユニークな歌声で、アルバムでリリースされた“ Ten More Days ”よりも、かなり壮大で、力強く、もっとこの曲を好きになった。
とにかく、Zak Abelの歌声と“ Ten More Days ”の楽曲、歌詞が、すっごく合ってた。
特に、後半の1番最後の後から被せた「I don’t need future king!」のところとか、堪らなく最高だ!
6. Silhouette (ft. Salem Ar Fakir)
スクリーン映像も、Avicii のシルエットで表現されていて、ずっとスクリーンを見入ってしまった。
オーケストラ版“ Avicii – Silhouette ”は、想像以上に良かった。
7. I Could Be The One (ft. Johanna Söderberg)
甘く、美しい“ I could be the one ”のオーケストラバージョン。
オリジナルは、クラブミュージックだが、メロディーは、凄くしんみりとしてるので、どちらのバージョンも良き。
8. Bad Reputation (ft. Joe Janiak)
ライブで、“ Bad Reputation ”を聞くのは、初めて。
すごい新鮮だった。
Timは、天国から、Joe Janiak のこれからを凄く期待していると思う。
9. Friend Of Mine (ft. Vargas & Lagola) [☆要チェック☆]
まさに、“ Friend of Mine ”が、音楽で実現された瞬間だ。
意外と、“ Frined of Mine ”は、EDMバージョンよりも、オーケストラバージョン (or アコースティックバージョン) の方が、合ってるなと思った。
凄くエモーショナルで、感動的な1曲だった。
僕がいた場所とステージは結構距離があって、周りの身長も高く、よく見えなかったが、Salem Ar Fakir (サレム) と Carl Falk (カール) が泣いてる姿は、自然と目に入ってきた。
それを見て、Timとの真の友情を感じた。
これを「友情」というんだ。
それが現れた瞬間だったように思う。
そして、Avicii が、なぜ、“ Unbreakable ”ではなくて、“ Friend of Mine ”を公式バージョンとしてリリースしたのか。
やっと腑に落ちた気がした。
10. Tough Love (ft. Agnes, Vargas & Lagola)
男性ボーカルの Vincent の奥さんである Agnes が、登場した時、会場から、凄く歓喜の声が響いた。
これこそ、EDMオーケストラの真骨頂だ。
EDMオーケストラに相応しい1曲を生演奏で聞くことが出来て、凄く嬉しく思う。
夫婦で、“ Tough Love ”を熱唱するほど、Timがこの曲の歌詞に込めたメッセージが、パワフルになることはない。
11. Sunset Jesus (ft. Gavin DeGraw)
この“ Sunset Jesus ”も、クラブや Ultra Music Festival とかで流すと、ちょっと雰囲気と合わず場違いな曲になってしまうけれど、
バンド形式のライブだと、凄く合ってるし、良さも際立つ。
そして、このコンサートこそが、1番 Aviciiらしい、Timらしい公演の姿だったように思う。
クラブミュージックというか、パーティー系の曲をDJでパフォマンスするよりも、オーケストラを含めた生演奏で、壮大な音楽を表現する。
彼は死んじゃったけど、このコンサートで、彼は、自己実現を果たしたように思う。
自分らしい究極の姿に表現に、たどり着いたんだ。
12. Lay Me Down (ft. Adam Lambert)
個人的に、このコンサートで1番楽しみにしていたシンガーは、アダムランバードだった。
彼の歌声を生で聞いたことなかったので、どんな感じなのだろうと。
そして、実際に聞くと、アダムランバードの歌は、やっぱり上手かった。
でも、歌が上手過ぎて、アヴィーチーもリリースする音源でほとんど声をいじっておらず、ライブとラジオ音源の声が同じ過ぎて、逆に、歌のうまさに気付きにくかったかもしれない。
声を出す感じが、軽くかなり高音出せるというか、ライブになると、ギリギリ声を出してる人と、余裕で声を出してる人の違いが、はっきりと現れやすい。
それに、アダムは、華があるというか、ロックバンドのリードボーカル的な素質もあるので、凄く演奏と歌声を楽しめた。
13. Heart Upon My Sleeve (ft. Lucas Krüger)
このスピーチは、コンサート全体の中でも、僕の頭にとても印象的に残ってた。
生で聞いていて、凄く気持ちを感じたというか、本当に、Timの死を友達として悲しんでるのが伝わってきた。
14. Fades Away (ft. MishCatt)
最高のサムネイル画像になってしまった。笑
Tim の親友であり、彼の音楽を支え続けた Carl Falk の語りから始まり、コンサートの日に、リリースされた“ Fades Away ”のニューバージョンが、披露された。
もし、Timが生きている時に、“ Fades Away ”が完成していたら、ボーカルは、MishCatt だったのかもしれない。
EDMオーケストラを象徴する1曲だ。
15. Lonely Together (ft. Rita Ora)
Rita Ora (リタオラ) の登場が、カッコ良過ぎ!
彼女は、“ Lonley Together ” を歌うためだけに、自身の仕事で多忙な中、ストックホルムまで駆けつけてくれるなんて。
リタオラは、Avicii のアーティストライフの最後の方で、一度しかコラボしてないのに、Tim から多大なインパクトを受けたようだ。
彼女の生の歌声だけでなく、人柄も感じられて、心に残る時間だった。
16. The Nights (ft. Nick Furlong)
ボーカルの Nick Furlong の顔が、Jonas Blue (ジョナスブルー) 過ぎて…。笑
*Jonas Blue*
Jonas Blueが、“ The Nights ”を熱唱してる感じに、違和感を感じた。笑
しかも、仕草も似てたし。笑
“ The Nights ”は、歌詞も曲も、歴史に残る名曲だと思う。
Avicii, そして、ボーカルの Nick Furlong、素晴らしい歌をありがとう!
17. Hey Brother (ft. Dan Tyminski)
ライブバージョンの“ Hey Brother ”は、ラジオ音源よりも、もっと雰囲気を感じた。
自分の前にいた北欧のガールズグループが、ノリノリ過ぎて、終始、圧倒されました。笑
18. Heaven (ft. Simon Aldred)
2016年に、Avicii が、Ultra Miami で流したエネルギッシュな“ Heaven ”とは違って、凄くマイルドな“ Heaven ”だった。
僕は、この時に初めて、Simon Aldred (サイモンオールドレッド) を生で見たのだが、自分が思ってたよりも、だいぶ年とってていたので、びっくりした。
自分が想像してた姿は、下の写真。
上の動画を見ると、この写真が、だいぶ昔に撮られた写真であることを悟るはず…。
個人的には、“ Heaven ”が、最後に演奏されるのかなぁと思っていたが、違った。
19. Waiting For Love (ft. Simon Aldred)
今回の生“ Waiting For Love ”は、僕が今まで聞いてきた中で、1番良かった。
Avicii のロゴが入った気球が、山の中、雪の中、雲の中、超えていく姿も、印象的。
20. Wake Me Up (ft. Aloe Blacc)
もうこの曲を何回聞いたかわからない。笑
21. A Sky Full Of Stars (ft. Simon Aldred) [☆要チェック☆]
“ A Sky Full Of Stars ”をライブで聴くのは、本当に最高だ。
イヤホンで聴くより何倍も、エモーショナルに感じる。
Simon Aldredは、このライブで、合計3曲を歌ったけれど、個人的には、この曲が、1番印象的だった。
そして、感動した。
本当に美しい歌だなぁ。と改めて思った。
この曲の最後に、“ Avicii – Broken Arrows ”の「I see the hope your heart」という部分も、しれっと流れていて、Timの死を悲観的に捉えてなくて、前向きに捉えてるのを凄く感じた。
Cause it’s not too late
手遅れじゃないから
It’s not too late
手遅れじゃないさ
I, I see the hope in your heart
僕は君の心に希望が見える
And sometimes you lose
時々, 途方に暮れて
And sometimes you’re shooting
Broken arrows in the dark
折れた矢を, 暗闇の中へ
放つこともあるだろう
But I
でも, 僕は
I see the hope in your heart
君の心に光が見えるんだ
Avicii (アヴィーチー) は、どんな暗闇でも、光を見出してきた人だった。
これからも、宇宙で光り輝く星として、僕たちを導いてくれるだろう。
22. Avicii – Levels
「誰もが、コンサートは終わった。」と思った瞬間、流れ始めた“ Levels ”。
Avicii が、世界的にブレイクしたきっかけとなった曲で、とても人気で有名なシングルだ。
実をいうと、僕自身は、Aviciiの曲の中で、そんなに好きな方ではないのだが、この曲が、今夜の最後にふさわしい1曲だったと思う。
23. エンディング by オーケストラ [☆要チェック☆]
“ Levels ”から、感動のエンディングへ。
こんな最高なメロディーを作れるのは、世界で、Aviciiしかいない。
スクリーンに映し出されるTimの人生が、死ぬ時に見ると言われる走馬灯のようで、会場の観客席から、Timの人生を早送りで、見てきた気分だった。
凄いスローに感じたし、長くもあっという間にも感じた。
エンディングの最後では、スクリーンへ映し出された Tim (ティム) へ、会場の観客の多くが、ハートサインで、愛と感謝を示した。
ファンからのこの「愛 (Love)」と「敬意 (Respect)」は、Timが、彼の人生の中で、世界へ与えたものの表れだと思う。
「自分は、世界へ何を与えたのか。」
人は、死ぬ時に初めて、その答えが明かされるのかもしれない。
コンサートのエンディングの最後で、「Timが正面を見るシーン」が、スクリーンに映し出された。
そのときのTimは、静止画ボン!ではなく、
緩やかな動きありの中から、静止するという流れで、僕は、その動きあるシーンを見て、彼がまだ生きてるようにも感じたし、また、Timは、2019年の12月5日に、正式に、亡くなったようにも感じた。
約1年前の2018年4月20日に、Timの肉体は、消えたけれど、死んだ後も、彼の意思は、まだ強くこの世界 (地球) に残っていた。
でも、最後のアルバム「TIM」がリリースされ、このコンサートが終わった瞬間、
彼の意思も、あの世へ天国へ旅立ったように感じた。
彼は、『Avicii Tribute Concert』という、史上最高のEDMオーケストラ・ライブコンサートを通して、自己実現を果たし、使命を果たし終えたのだと思う。
最後に
僕自身、今回のコンサートは、生で体感した時、泣くだろうと思っていました。
*因みに、普段は感動しても、滅多に泣きません。*
でも実際に、会場にいると、
悲しさよりも、感謝の気持ちの方が大きく、涙は流れませんでした。
Timを惜しむ夜ではなくて、彼の音楽を、彼が遺したもの、彼の人生をみんなで、祝福した夜で、
Timの家族、Timとコラボしてきたミュージシャンたち、コンサートの準備をしてきた裏方の人、オーケストラの人、Timを追悼するために、この夜ここに集まった5万8000人の人々。
そして、ライブ中継を見ていた人々。
これら全ての人の Avicii (Tim) に対する「愛 (Love)」と「敬意 (Respect)」を凄く感じる最高の2時間15分でした。
ただただ、Tim に感謝しかありません。
Thank You Avicii, We Love You♡
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