Avicii(アヴィーチ)は、
「Avicii」がブランドとして知名度を増してく中で、世界中からチームAviciiの元に、素晴らしいデモ(demo)が大量に届くようになった。
Timは非常に多忙であるが、ツアーがひと段落し、スウェーデンに帰ってきた時など、それらのデモをまとめて聞いてチェックしていた模様。
そのデモを元に曲を完成させ、リリースしたシングルもいくつかあるし、リリースされなかった曲もある。今回は、それらを中心に紹介したい。
全17曲。
『作曲家』を目指している若者、『作家』など、クリエイティブな仕事をしている人には、特に吸収できる部分があると思う。
———Avicii のデモ?に学べ。
「デモ」for Avicii
未だリリースされていない「デモ」
1. Second Away (Demo For Avicii)
リーク日 : 2020年3月29日
Aviciiの2ndアルバム「Stories」に収録のため、取り掛かっていたが、没となったデモ。
このデモに対して、Aviciiがどれほどタッチしたのかはわからないが、凄くAviciiっぽい楽曲ではあるし、日本人が、かなり好きなタイプの音楽だと思う。
ただアルバム「Stories」には、歌詞的にも曲調的にも、収まるところがない。それは分かる気がする。しかしながら、デモの段階としては非常に捨て難い魅力ある楽曲だ。
2. Bonn – Fall Apart (Reference demo for Avicii)
リーク日 : 2024年3月27日
Avicii, One Direction, Martin Garrixなどなど、シンガーソングライターとして人気アーティストを支えてきた Bonn(ボン)。
このデモは、Bonnによって公開されたもので、彼のフォルダー「Avicii 2018」に入っていた、まだ公式にはリリースされていない、リファレンス曲である。
Aviciiは、本当に優秀で才能ある凄腕音楽プロデューサー、シンガーソングライターと、何度も曲作りをしている。こうやって記事を作成しているとよくわかるが、Aviciiは、その人の才能を最大限に引き出す力がある。
もはや、その人の才能を全て搾り取っているのではないか、取り込んでいるのではないか、そう思われるほどに、シンガーソングライターや音楽プロデューサーの個性が引き出されてる。
彼らも、Timとコラボする過程で、自分の知らなかった自分と出会えるのではないか。

Timは、料理人だ。
大地に感謝し、農家の人達に感謝し、その食材の旨みを最大限に引き出しながら、最高の料理を和えていく。
Timは、音楽のシェフだ。
決して「引き下がるな(Hold The Line)」
Avicii – Hold The Line [制作秘話]
Timに送られてきたデモの中には魅力的なものも数多くあったと、その「苗(デモ)」から”Hold The Line(引き下がるな)“は出来上がった。
自身の試練とぶつかった時、そこから目を背けて逃げ回るのではなく、この記事のサムネイル画像のように、「向き合い(フェイスオフし)」、決して引き下がらず、「戦え」と。
今生きている日本人はほぼ全員、戦後の日本教育で育てられている。なので「戦い」=「悪」という思想を幼い頃から洗脳され育てられてきた。それは陰謀論でもなんでもなく、戦後日本の歴史的事実である。
1945〜1952年まで、GHQが日本を占領し、その期間に、日本人が再び反抗してこないように「戦意」を削ぐ教育の「制度」を指示した。メディアコントロールした。
漫画「ハンターハンター(第37巻)」で、
「戦争とは
武力により敵国の制度と意志を変えるもの」
「戦闘とは
武力により敵の意志そのものを消す事」
とある。
日本人は大東亜戦争(1945)において、敗戦し、日本国の制度と『意志』を変えられたわけだ。
しかし本来、「戦い」=「戦争」ではない。
人生において、苦難に出くわす時、人は自分自身と向き合わないといけない、戦わないといけない。しかし戦後の日本人は、その「戦い」すらも出来なくなった。
戦後80年、日本人はこれっぽっちも成長していない。ただ変化しただけで、本質的な成長は何も遂げていない。
だからこそ、言いたい。
「戦え」と。
リリース済みの曲の「デモ」
・3rd アルバム「TIM」収録曲

アーティストのアルバム収録曲を聴いて、
この曲が「好きだ」、この曲は「嫌いだ」、
その程度で終わっている輩は、猿未満である。
このアーティストは、そのアルバムを通して、何を伝えようとしているか、音楽の起承転結で、または「歌詞のメッセージ」で、もしくは、アルバムのタイトルで、アルバムのジャケットで(アルバム「TIM」なら、Timの写真)、それを自分の頭で考え、調べて、また考え、真意を受け取ろうとする。そしてそれを受け取って自身の人生に生かしていく。
ここまでやって初めて、『人間(Human)』だ。
アルバム「TIM」のTimの写真で、Timの目線は斜め上を向いている。正面じゃない。下を向いてない。これはアルバムの収録曲“Freak”のメロディーで、坂本九の「上を向いて歩こう」という楽曲の口笛の箇所をサンプルしているが、そこから「上を向いて歩こう」というメッセージが、このアルバムには込められていることも、考えられる。
収録曲には、“Heaven”という楽曲もあるので、このアルバムジャケットは「“Heaven(天国)”を見ている」とも捉えられるかもしれない。
アーティストは、表現者だ。
好きな音楽家の作品、アニメでも漫画でもいいが、この作品に感動したとか、面白かったとか、つまらなかったとか、そこで終わるのではなく、
そのアーティストは、その作品を通し、何を伝えようとしているのか。
そこを考えていかないと、何も意味がない。
漫画「チ。地球の運動について」でも、最後は「?(思考する)」で終わる。
社会的な作品というのは、
何かしらのメッセージを必ず含んでいる。そこを理解しようとする姿勢がなければ、どれだけ、素晴らしいメッセージが世の中に送られ続けていても、日本人はウヒウヒ言っているだけの猿と何ら変わらない。
今の日本人は狡猾でないただの猿だ。
進化なし。発展なし。成長なし。
いや、猿未満かもしれない。
1. A R I Z O N A – Hold The Line [Demo For Avicii]
リーク日 : 2024年8月29日
“Hold The Line”という楽曲も、Aviciiに送られてきたデモを元にビルドアップされている。
このデモに、ベルのイントロを追加し、EDM的リズムを加え、20種類の中から、しっくりくるドロップを取り入れ、出来上がったのは、3rd アルバム「TIM」の収録曲“Hold The Line”。
逆に言えば、このデモと完成バージョンとの間に、Avicii達の「努力がある」というわけだ。
2. SOS ft. Bonn (Original Tim’s demo)
リーク日 : 2024年3月27日
2018年4月20日、Timが亡くなるまで“SOS”というシングルは、Bonn(ボン)が仮のボーカルを務めていた。
Timの死後、この“SOS”のデモが、Aloe Blacc(アロー・ブラック)に送られ、完成した。
3 – 1. Tough Love (ft. Vargas and Lagola)
2016年3月の段階では、この状態だった。
3 – 2. Avicii – India (ft. Jozzy) [Indian_Dopey_Max A]
リーク日 : 2019年10月13日
“Tough Love”は、Timの生前に完成しなかったが、「ボーカルは男女、それもカップルやパートナーによるデュエットが望ましい」という「Timのメモ」に忠実に、そしてこのサンプルのメロディーをバイオリンで弾いたバージョンが採用。
まだはっきりと明記できないが、
この“India”を含め、JozzyというアメリカのシンガーソングライターとのIDは、2017年に制作されたと言われている。
“India”の他には、
“Row(Someone New)”,
“We Burn(Faster than Light)”
合計、3つのIDがある。
時系列は分からない。“Row”と“India”のデモは、Jozzyのものだったかもしれないし、Timがデモを送って、それに歌詞を載せたのかもしれない。
“Row”は、こちらの記事 : Avicii 未発売曲 8選(Studio Session 2018)で紹介している。
個人的には、
“We Burn(Faster than Light)”のJozzyバージョンが、凄く良いと思った。
そのバージョンを聞いた時、自分なら「このシンガーを採用する」と魅力的だった。ボーカル以外にも、メロディーも異なっていて、それがまた歌声ともぴったりで最高。
ぜひ、聞いてみてほしい。
関連記事 : the crowning of prince Liam
4. Friend Of Mine (複数のデモ)
リーク日 : 2022年9月11日
15分間の中で、6つのデモが聞ける。
個人的には、8:19〜の4つの目のデモが、印象的だった。
関連記事 : [夜宮] アルバム AVICII FOREVER「3 Week (4/25〜5/16, 2025)」を開催!
この3週間で、約20記事作成していて、とにかくAviciiの音楽のバージョンの多さに泣かされる。笑
リークしたものでも、一人の人間には全部負えないほど、大量にバージョンがある。それがあっちこっち移動しているから、どれがどれだか分からなくなるが、それを全部管理していたTimはまさに、スーパーコンピューターだ。笑
・2nd アルバム「Stories」収録曲

当初、2nd アルバム「Stories」のリリース前のアルバム・ジャケットは、上の画像のモノクロバージョンだった。
そこに『色(カラー)』が塗られ、リリースされた。
「Stories」という文字は、「S」「t」「o」「r」「i」「e」「s」という、7『文字』。
7『色』と、7『文字』が対応している。
“True Color”という言葉は、“本来の性格”とか“本性”という意味があるが、この色合いは、何を物語っているのだろう。
1. Survive (ft. Gavin De Graw) [Unreleased “Sunset Jesus” Demo]
リーク日 : 2022年12月20日
“Sunset Jesus”に関して言うと、これまためちゃくちゃバージョンがある。
Timがこれまでリリースしてきたシングルの中でも、最も完成に苦労した楽曲の一つであったことは間違いない。
Avicii – Sunset Jesus (ft. Gavin DeGraw) @Avicii Tribute Concert
“Sunset Jesus”には数多くのシンガーソングライターが関わっているけれど、
Gavin DeGraw(ギャビン・デグロウ)の“Survive”が、基盤になっている。
2. When you took our love away (ft. Wyclef Jean)
リーク日 : 2020年4月4日
“Sunset Jesus”は、Wyclef Jean(ワイクリフ・ジョン)が歌う、歌詞の違うバージョン。
関連記事 : [蔵出し曲] Aviciiのお蔵入り IDシリーズ(with Wyclef Jean & Moxie Raia)
「やれることは全てやる」
それが、Aviciiの、Timのモットーだ。
3. Just For One Day (feat. Mike Posner) [Demo Leak] [2014]
リーク日 : 2022年9月28日
Aviciiシングル史上最も新曲未遂の男———「Mike Posner(マイク・ポズナー)」は、ここでも登場する。
*ボーカルにおいて*
関連記事 : [蔵出し曲] Aviciiのお蔵入り ID シリーズ「2012(with Mike Posner)」
“Sunset Jesus”の楽曲クレジットには、Mike Posnerの記載がある。
4. Dreams Of Gold (ft. Sandro Cavazza)
リーク日 : 2022年12月20日
“Sunset Jesus”の歌詞の一部に見られる。
「My dreams are made of gold」
そのラインが繰り返される。
“Sunset Jesus”は、様々なピースを一曲に集約させた“X You”のような楽曲。
関連記事 : The crowning of prince Liam
5. Avicii – Attack (Instrumental)
UMF 2015にて、Aviciiが公開した“Attack”は、“Sunset Jesus”の元種。
楽器のみ(インストロメンタル)で、ここから紆余曲折を経て、“Sunset Jesus”へ進化する。
とんでもない道のりだ。
6. You Got Me Thinking (Avicii’s True Believer solo demo)
リーク日 : 2024年3月27日
2nd アルバム「Stories」の収録曲“True Believer”、そのデモ。
Tim本人がコーラスで参加しているのは“Promises of Tears”を含め、2曲のみ。
関連記事 : 天使の悪戯!消えた8つのトラック。
7. Broken Arrows (Rough 2) [Demo]
リーク日 : 2024年3月27日
2014、2015年の頃は、Timが病気をはじめ、最も精神的にも体力的にも参っていた時期だ。その時期にこんな希望を与えるような楽曲を作れるところが、怪物だ。
関連記事 : [蔵出し曲] Aviciiのお蔵入り IDシリーズ(with Wyclef Jean & Moxie Raia)
Wyclef Jeanも“Broken Arrows”のデモとなる“Will You Remember Me”を歌ってる。
また2ndアルバム「Stories」の収録曲である“Touch Me”。これはデモではないが、Cazzette Remixが大変素晴らしいので、ぜひ聞いてみてほしい。
関連記事 : Avicii × Cazzette
Cazzette(カセット)は、Aviciiと同レーベルに所属していた2人組のDJ。
・1st アルバム「True」収録曲

・1st アルバム「True(真実の)」(2013)。
・2nd アルバム「Stories(物語)」(2015)。
・映画「True Stories(真実の物語)」(2017)。
・Tim 死去(2018)。
・3rd アルバム「TIM」(2019)。
これが「自己実現」なのか。
Lay Me Down [Demo] (ft. Adam Lambert & Nile Rodgers)
“Timeless music, that’s what I’m trying to make” – Tim ‘Avicii’ Bergling
「時代を越える音楽、僕はそれを作りたい。」- ティム アヴィーチ バーグリング
“Lay Me Down“は、外せないだろう。
決して「引き下がるな(Hold The Line)」
もし、Timの生前に、“Hold The Line”がリリースされていたら、この“Gryffin Remix”は、公式にリリースしていたと思う。
※追記: ARIZONA(バンド名)は、“Hold The Line”のデモを2017年、Aviciiへ送るも、リリースされる気配がなかったので、他の音楽プロデューサー Gryffin(グリフィン)にも送った。
Gryffinがそのデモに手を加えたものが、真下の音源。
2019年、ARIZONAは、そのGryffinバージョンをリリースする予定だったが、Timの死後、遺作アルバム「TIM」に、より完成度の高いバージョンが収録されるのではないかと知らされ、Gryffinバージョンはキャンセルした模様。
そして、2023年、Gryffinバージョンがリークした。
というのが大まかな経緯※
しかし、どちらもリリースして欲しかったなと思うほど、“Hold The Line”(Gryffin Remix)、大変魅力的だ。
Hold The Line ft. A R I Z O N A (Gryffin remix)
“Hold The Line(引き下がるな)”。
学校で出される問題には、答えがある。
だが社会での問題には、答えがない。
だから、「答えは一つじゃない」。
最近はよくこういう声を聞くが、それはただの「逃げ」だ。
そうやって日本人は、思考することから逃げている。思考は面倒だ。エネルギーを使う。時間もかかる。言い訳の敗北者が今の日本人だ。
「答えが一つでなくても、答えはある」。
僕はこう言いたい。
「答えを探せ」と。
それが“Hold The Line”という楽曲における「戦え」、決して「引き下がるな」というメッセージと、僕の同義語である。
日本人よ、
「答えを探せ」
決して「引き下がるな(Hold The Line)」。
地球は「格闘の星」

Avicii デモ 19曲(厳選掛け流し)
こちらは、プレイリストの動画。
まとめて聞きたい方に、おすすめ。
Spotifyが出てきてから、音楽の多くはYouTubeではなく、Spotifyで聴くようになってしまった。しかし、こういった音源は、Spotifyじゃ聴けない。
YouTubeだからこそ、聴ける。
ブログだからこそ、出逢える。
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