Avicii New ID シリーズ「2012(with Mike Posner)」




ただ今勝手に開催中の[夜宮] アルバム AVICII FOREVER 3 Week(4/25〜5/16)

今回は、2013年にAviciiがリリースした1stアルバム「True」。そこに収録予定も、漏れた曲を中心に、2ndアルバム「Stories」同様、『三部作』でお届けしたいなと思っている。

第一弾 ⑴は、Avicii史上、最も新曲未遂・・・・の男———「Mike Posner(マイク・ポズナー)」という「アーティスト」を切り口に、顕現させていきたいなと思う。

これより故アヴィーチの解剖を開始する

切り口 : Mike Posner(マイク・ポズナー)

アメリカ合衆国の「シンガーソングライター」———「Mike Posner(マイク・ポズナー)」。

ここで強調したいのは、彼は「シンガー」だけでなく、「ソングライター」であること。

Aviciiとの仕事について

このMike Posner(マイク・ポズナー)のインタビュー動画では、Avicii(アヴィーチ)が世界的なブレイクのきっかけとなった”Levels“。

そのデモを、Mikeが大学に入学したばかりの頃、無名の時期に、Avicii(Tim)が自分に送ってくれたらしい。まだ”Levels“も世に出てない頃で、このデモに歌詞を載せて欲しいと。

Mikeは「3回ほど試していくつか作詞してみたけどそれほど良くなかったなぁ」。

そうMikeは語っているが、その音源がこちら⇩

Let’s Roll(さあ行こう!)

1. Let’s Roll (ft. Mike Posner)

Mike自身は、謙遜しているが、

これはこれで、かなり魅力的だと思う。

ただ”Levels“は、あのボーカルのサンプリングが、完璧すぎた。

公式にリリースされた曲の多くは、著作権により翻訳をこのブログでは載せられない。

だが、”Let’s Roll“は、パトロール内に置かれていないこと、またこの曲の歌詞は、未だリリースされていない曲とはいえ、Aviciiのキャリアにおいて関連性があるということで、軽く翻訳も載せている。

参考までにどうぞ。

「Avicii – Let’s Roll (ft. Mike Posner)」歌詞・和訳

[Verse 1]

Hello!
やあ

Would you care to come with me?
僕と一緒に来てみないかい
I got something that you ‘gon like
君もきっと気に入ると思うよ

I’m ‘gon take you far away
まだ見ぬ先へ連れてくよ
Show you to the other side
あちら側へ案内しよう
We on that next level shit
次のレベルに僕達はいる

Yeah I’m bout to blow yo mind
君は圧倒されちまうだろうな
Lights brighter then they ever been
今まで見たことないほど明るく輝く
Shine till the end of time
光り輝き続けるものに

[Chorus]

Let’s roll, oh oh
さあ行こう
Until we lose control, oh oh
僕らの理性の外側へ
Let’s roll, oh oh
さあ行こう
Until we lose control, oh oh
僕らの理性の外側へ

[Verse 2]

Don’t be scared to come with me
さあおいで 恐れることはないよ
I got something that you ‘gon like
君もきっと気に入るから

I’m ‘gon take you far away
まだ見ぬ先へ連れてくよ
Show you to the other side
あちら側へ案内しよう
We on that next level shit
次のレベルに僕達はいる

Yeah I’m bout to blow yo mind
君は圧倒されちまうだろうな
Lights brighter then they ever been
今まで見たことないほど明るく輝く
Shine till the end of time
光り輝き続けるものに

[Chorus]

Let’s roll, oh oh
さあ行こう
Until we lose control, oh oh
僕らの理性の外側へ
Let’s roll, oh oh
さあ行こう
Until we lose control, oh oh
僕らの理性の外側へ

[Bridge]

I feel free
自由を感じる
I can see everything and beyond
全てを感じるよ 境目を超えて
I feel free
自由を感じる
I can see more than I ever thought
想像した以上に 幅広く認識できる
I feel free
自由を感じる
I can see everything and beyond
全てを感じるよ 境目を超えて
I feel free
自由を感じる
I can see more than I ever
More than I ever thought
想像以上に 認識できる
思ってた以上に幅広く

[Drop]

Yeah!
イエイ
Avicii!
アヴィーチー
Mike Posner!
マイク・ポズナー
From Stockholm to Detroit baby!
ストックホルムからデトロイトだぜ

*ストックホルムはAviciiの故郷。デトロイトは、Mike Posnerの故郷。

Uh!
Ooooh, woo!

[Chorus]

Let’s roll, oh oh (yeah)
さあ行こう
Until we lose control, oh oh (ohhh)
僕らの理性の外側へ
Let’s roll, oh oh
さあ行こう
Until we lose control, oh oh
僕らの理性の外側へ

Levels“というタイトルは、この曲の歌詞から着想されたのか、”Levels“という単語は、Avici(無間地獄)における「階層(Levels)」という着想から、デモを送った段階で、チームAvicii側が指定したのか。

真相は分からないが、作詞におけるセンスを、かなり感じさせる歌詞である。

2. Gimme Dat (ft. Mike Posner)[New ID]

メロディは、

Avicii – UMF (Original Mix) [New ID]

この楽曲は「Ultra Music Festival 2013」のコンピレーションアルバムに収録されている楽曲だが、Spotifyでは、現在試聴不可となっている。

実際に、CDとしてリリースされている。

ボーカルなしのインストロメンタル。

個人的に、この”UMF“のメロディーは、めちゃくちゃ好き。心地良い。

関連記事 : Avicii New ID シリーズ「2012(with Noonie Bao)」

だが、Mikeのボーカルを付けたバージョンは、もっと魅力的だ。

歌詞の中で、「白人女性はAviciiが大好き黒人女性もAviciiが大好きアジアの女性もAviciiが大好きインドの女性もAviciiが大好きあなたの彼女もAviciiが大好き、」というフレーズがあるが、

僕は、「Mike PosnerもAviciiが大好き(Mike Posner Loves Avicii)」という、歌詞も追加しないといけないと思う。笑

因みに、タイトルの「Gimme Dat」は、「幾らか頂戴」という意味。

「僕にも幾らか歌わせて頂戴」?
Aviciiシングルとして、「幾らか公式にリリースさせて頂戴」?

……失礼しました。

3. Lie To Me (ft. Mike Posner) [New ID]

2012年に制作された楽曲”Lie To Me“。

それから8年後の2020年2,3月に、リークした音源。

一般的なアーティストであれば、2012年の段階で、公式にリリースするクオリティだと思う。

凡人と一流の人間の差は、人生に対する本気度や成長へのモチベーションだ。

4. Change A Thang (feat. Mike Posner) [New ID]

この”Change A Thang“という音源は、 2018年8月23日に、断片がリークし、2019年2月7日にフルバージョンがリークした。

関連記事 : Avicii 2015(アルバム「Stories」収録予定。しかし漏れた New ID)[三部作⑵]

上は、プレビューだが、フルバージョンは、Soundcloudで聴ける。

しかし、この”Change A Thang“の主軸となるメロディーは、

2016年夏のイビザでのライブで、Aviciiが披露した”Forever Yours(Avicii by Avicii)”に使われ、2025年2月14日”Forever Yours(Tim’s 2016 Ibiza Version)”として、既に公式にリリースされてしまったため、実質、没になったと言っても過言ではないだろう。

4 -1. Forever Yours [Tim’s 2016 Ibiza Version @ Ushuaïa Club, August 2016]

Change A Thang“の主軸となるメロディーは、

Forever Yours(Tim’s 2016 Ibiza Version)”の後半部分でのみ、採用されている。前半では出てこない。

5. Don’t Forget To Remember Me(ft. Mike Posner)

リーク日 : 2020年5月31日

曲の制作時期は、2014,2015年ごろだと考えられている。

壁にぶち当たった時、疲れた時、頼れる人がいなくなった時、僕を思い出して欲しい。君が必要な時に僕は君のそばにいるから。と歌っている一曲。

曲の完成度的には、全然未完成。

6. Food On Plate (ft. Mike Posner)

リーク日 : 2020年5月31日

金のために生き、金のために死ぬ。皿の上のわずかな食べ物のために(Food On Plate)。

食べるために生きるな生きるために食べよ」というソクラテスが遺した言葉とは、真逆の生き方をしている現代人。

音源の最後の方が、一部”Sunset Jesus“を彷彿させる。

歌詞は違うが、韻は似てる。このデモから、「Breathe for a minute, Breathe for a minute, I’ll be okay」というラインは出来上がったのかもしれない。

7. Broken Hearts & Hennesy (ft. Mike Posner)

リーク日 : 2020年5月31日

僕に残っているのは思い出だけ
傷ついた心とヘネシー

*ヘネシーはアルコール度数40%ほどの強いお酒。

彼女が自分の元を去っていき、別れを受け入れられないまま、自分に残ったのは彼女との思い出とこの傷ついた心とヘネシーだけ。

この”Broken Hearts & Hennesy“というIDは、以下2つの曲の『(seed)』となっている。

関連記事 : Avicii デモ特集

7 – ⑴ MORTEN – Beautiful Heartbeat (Avicii Remix)

Broken Hearts & Hennesy“の最初に聞こえてくるメロディーは、このAvicii Remixとして、公式にリリースされている。

そして、後半部分のドロップのメロディーが、

7 – ⑵ Avicii – Heaven

Heaven“がライブで初披露されたのは、2014年2,3月。

そう考えると、”Broken Hearts & Hennesy“というIDは、その前のセッションで制作されていた可能性も大いにある。

8. In My Arms (ft. Mike Posner)

リーク日 : 2020年5月31日

歌詞の内容的に、この歌詞で公式にAviciiシングルとしてリリースされることはないだろう。”Tough Love“の歌詞と少し被っているので。

メロディーは綺麗だなと思う。

9. Stay With You(ft. Mike Posner) [New ID]

この”Stay With You“。

曲の好き嫌いはあると思うが、楽曲の質自体は、かなり高い。

Aviciiから公式なリリースなかったものの、実質完成した楽曲だと思う。

過小評価の「Mike Posner」

Mike Posner(マイク・ポズナー)は、コンスタントにヒット曲を作り出すタイプではないが、時々、世界的なメガヒット曲のプロデュースに関わっている。

裏方よりのアーティストなため、あまり功績を知られていないと思う。

以下4曲は、洋楽好きなら、誰もが聞いたことのある名曲だろう。

Mike Posner – I Took A Pill In Ibiza (Seeb Remix)

Mike Posner(マイク・ポズナー)の実体験を、元に書き下ろした歌詞で、歌詞に「Avicii」という固有名詞が出てくる。

この歌詞が生まれたエピソード(外部の動画へ)は省略するが、

マイクポズナーが、全然仕事の入っていない時期、手帳やカレンダーを見ても、空白だらけという、不安でもがいていた時期に、業界は見向きもしてくれない期間でも、Avicii(Tim)は、連絡をくれて、スタジオに呼んでくれたり、イビザに招待してくれたりした。

そのことを、マイク・ポズナーは、非常に感謝しているようだ。

そしてそのイビザでの自身の体験談が、この“I Took A Pill In Ibiza”の歌詞として産まれ、後に「Seeb Remix」として、歴史に残る名曲となった。

アーティストは、こういう苦難な時期に、次の作品が育まれるのだと思う。

Mike PosnerI Took A Pill In Ibiza”は、錬金術だ。彼が彼自身の苦難や苦悩、痛みなど暗黒時代の経験を、美しい作品として昇華したのだから。

音楽家』であれ、『作家』であれ、『画家』であれ、

芸術家』として生きる者は、その暗黒時代にいかに、自分自身を信じて、進み続けることができるか。マイク・ポズナーは、その大切さの生き証人だ。

マイク・ポズナーは、“ヒットメーカー”?

以下の楽曲は、アルバムとしてリリースすることはできなかった。

しかしマイクポズナー自身が歌わないのであれば、公式なリリースが可能であったと。

もしそのデモを提供してくれるのであれば、すぐに内のレーベルのアーティストからリリースしたいとのオファーを受け、このままずっと自分のパソコンに眠っているくらいなら、引き受けようということで、承諾したらしい。

① Justin Bieber – Boyfriend

マイク・ポズナーのデモを、Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)が歌いやすいように、彼の個性に少し寄せた形でリリースされようだ。

② Maroon 5 – Sugar

楽曲のクレジット』を見る方法は複数ある。

Spotifyだと、その楽曲の「・・・」をクリックし、出てくる表示の中で、下から二番目———「シェア」のすぐ真上にある「楽曲クレジットを表示」。ここをクリックすると、「ソングライター」や「プロデューサー」の項目があって、そのどちらかに記載されている。

この楽曲だと、「Mike Posner」という文字がしれっと拝見できるはず。

“Sugar”のbrigeに関しては、Maroon 5のリードボーカル、アダムがアレンジしたそう。

③ Labrinth – Beneath Your Beautiful (ft. Emeli Sandé)

また、Labrinth(ラブリンス)の名曲“Beneath Your Beautiful”。

Spotifyにおけるこの『楽曲クレジット』では、「Michael Posner」と記載されている。

Mike」は「Michael」の略なので同意義。

他のクレジットでは、「Mike Posner」との表記もある。

最後に

Avicii(ティム)は、事あるごとに、デモを Mike Posner(マイク・ポズナー)に送り、歌わせるが、どれもしっくりと来ずに、結局、Timが生きている間に、Mike Posnerがボーカルを務めたシングルは、一つもリリースされなかった。

もしかしたら、マイク・ポズナーは、Timからもっともデモを送られ、そのデモを歌ったシンガーソングライターなのかもしれない。

しかし一曲も公式にリリースされる事はなく、自身の楽曲で、Aviciiの名を歌詞に入れたシングルは、世界中で大ヒットするという、ある意味面白い関係。

2011年リリースのLevelsの前から、デモのやり取りがあり、2018年のTimの自宅でのセッションでも、ボクシングをしている様子が動画に写っているので、意外と、最もTimと付き合いの長いシンガーソングライターの一人である。

Aviciiシングル史上、最も新曲未遂・・・・の男———「Mike Posner(マイク・ポズナー)」。

天国にいるTimも、1曲くらいリリースさせてあげたいと思っているに違いない。もしかしたら今後あるかもしれない。それを楽しみに待っていたいなと思う。

チーム Avicii さん、どうか彼に素敵なチャンスあれ!

関連記事 : [夜宮] アルバム AVICII FOREVER 3 Week(4/25〜5/16)を、勝手に開催!

Avicii with Mike Posner(厳選掛け流し)

Avicii (with Mike Posner)の”New ID“を、まとめて聞きたい方は、真上の動画をどうぞ。

全9曲のプレイリストになっている。

おまけ

Mike Posner sings 「Sugar by Maroon 5」 acoustic

さすが、「Maroon 5 Sugar」の本家、Mike Posner(マイク・ポズナー)。

上手い、合ってる!

そしてこの動画、めっちゃ面白い!

個人的には、整った動画よりも、こういう動画こそ、本来のYouTubeの魅力だったように思う。