『ダラダラ詐欺』!? タンザニアで、人生初の詐欺に遭う。




タンザニアで、人生初の「詐欺」に遭いました….。

その名も、『ダラダラ詐欺』!?

ダラダラとは、

まず、アフリカを旅した事ない人は、「ダラダラ」って何?

どういう意味?って、感じだと思う。

ダラダラは、アフリカの現地の人が主に利用するミニバスのこと。

ルックスは、こんな感じ。

15〜20人ほど乗れるミニバスだ。

アフリカといっても、僕は、「ケニア」と「タンザニア」しか訪れたことがない。

なので、アフリカ全土で利用されてるかどうかまでは、分からないが、ケニアとタンザニアでは、よく見かけた。

因みに、このダラダラ、現地の人が、主に利用する交通手段だけど、観光客も利用できる。

基本的に、観光客は、タクシーを利用するが、ダラダラは、すごく安いので、長期的な旅人の財布に優しいのだ。

ダラダラ詐欺!? in ザンジバル島

前置きはさておき、早速、本題に入って行きたいと思う。

ヌングイへ

僕は、2018年の9月末に、タンザニアの楽園「ザンジバル島」を訪れ、

滞在中はほとんど、ザンジバル島の「ストーンタウン」という世界遺産の街に、宿泊していた。

でもはるばる、ザンジバル島まで来たし、せっかくなので、島の北端にあるビーチが綺麗なリゾート地「ヌングイ」へ行くことにした。

ある朝、ストーンタウンで宿泊してたフラミンゴゲストハウスをチェックアウトして、ダラジャニ市場のすぐ近くにある「ダラダラのバス停」へと向かった。

ダラダラには、細かなスケジュールなどなく、基本的に、バスが来たら、乗る感じ。

ストーンタウンからヌングイ行きへのダラダラは、だいだい30分に1本ペースで発車してるよ。

と、ゲストハウスのオーナーが教えてくれた。

そして、「116番のダラダラが、ヌングイ行きのバス」だと聞いたので、それに乗る予定だ。

ゲストハウスを出発して、バス停の近くまで来た時に、116番行きのダラダラのバスが、発車して去って行くのが、目に入った。

「次のダラダラか…。15分〜30分後かな。」

そして、バス停に到着すると、1人の男が話しかけてきた。

どこへ行きたいんだ?

僕は、「ヌングイ」だと答えた。

すると、その男は、

ここは、ダラダラの乗り場だけど、ダラダラはあっちで乗客を下ろして、ここでピックアップするから、あっちで待ってた方が、座りたい席に座りやすいよ。

と言ってきた。

次のダラダラが来るまで、15〜30分もあるし、ここで重いバッグパックを抱えたまま待っていても、疲れる。

また他の人に話しかけられて、面倒だから、その男の勧める場所で待つことにした。

あっちと言っても、30,40メートルくらいしか離れてないので、最悪走って戻ることも出来る。

その男は、ナチュラルに僕に付いてきて、色々日本のことやストーンタウンの話をしてきた。

僕も暇だったし、色々会話をした。普通に良い感じの人で、会話も盛り上がって楽しかった。

20分ぐらい待ったのだろうか、

ようやく、ダラダラがやって来た

乗ってる乗客がみんな降りて、しばらくすると、現地の人がダラダラ (ミニバス) のドア前に並び始めた。

僕もそこに並び、案内してくれた彼に「ありがとう。」と伝え、ダラダラに乗り込んだ。

すると、さっきの男の人が、ダラダラの1番後ろの席を勧めてきた。

僕が1番後ろの席に座ると、大きい荷物は、運転手の後ろの席に置くように言われる。確かに自分が持ったままだと他の人の邪魔になるし、バス内の前方に置いた。

そしたら、あの男の人が、僕にチップを要求してきた。

少し考えたが、お世話になった部分もあったので、少しだけ渡すことにした。

本当だったら、渡さないが、彼には、この金額なら渡しても良い金額を渡した。

チップをもらった彼は、去って行った。

次第に、現地人もダラダラに乗り込んでくる。

そして、今度はある男が、僕の元に来て、「バスの代金を払って」と言ってきた。

ダラダラのコンダクター (運賃を回収する人) なのだろうか。

「いくら?」だというと、「17000シリング (約850円)」だと言ってくる。

ネットで調べた時は、「2000シリング (約100円)」だと書かれていたので、それは高過ぎるだろうと思い、「それは、高過ぎないか!?」と答えた。

すると、「荷物代も含めるとこの代金だ。」と言い張る。

それでも、高いなと思ったので、近くに座ってた現地の乗客に、「相場はいくらなの?」と聞いた。

すると、「15000シリングぐらいだよ。」、荷物代を含めると、「17000シリングくらい」だと答える。

怪しかったので、「お前は本当にコンダクター(運賃を管理する人)か?」と聞くと、「そうだ!」と答える。

日本なら、バスの運転手やコンダクターは、制服を着てるからすぐ判断することができる。

だが、ダラダラの運転手とコンダクターは、制服が無く、見た目で見分けがつけにくい。だから、厄介だ。

タンザニアを旅していて、毎回これだ。何も買うにも、値札が無くて、言い値での交渉となる。

しかも、面倒なのは、90%以上は、実際の値段よりも、2〜10倍の額を吹っかけてくる。

高いから買わないと拒否すると、「なら、いくらなら買うんだ?」となり、交渉してやっと、相場の価格になる。

このやりとりを何回もしてきた自分は、もうタンザニアに、うんざりしていた。

なんで、バナナ買うにも、水を買うにも、毎回何分も交渉しないといけないのだ」と。

旅の疲れも溜まっていたし、やりとりも面倒なので、僕は、「17000シリング」を彼に払った。

「あ〜疲れた。」と思いながら、バスの発車を待ってると、いつの間にか、ダラダラは満席になり、出発した。

すると、

あのコンダクターだと名乗ってた男が、バスに乗っていないではないか。

しかも、彼が「17000シリング」だと言ってきた時に、

僕が料金を疑って、「相場はいくらなの?」と質問したあの乗客も、ダラダラ内にいない。

そこで、ようやく気がついた。

2人ともグルだったと。

一応出発後に、自分の前の座席にいた乗客へ、「ストーンタウンからヌングイまではいくらでいけるの?」と聞くと、

2000シリング」だと言われた。

「…、やっぱり。」

だが、時は既に遅し。

もうバスに彼らはいない。

そして、バス停に着いてからの一部始終を思い返していると、もう一つ気がついた。

最初の男も、グルだったかもしれない…。

最初の男とあとからの2人は、僕の目の前では直接会話をしてないが、アイコンタクトとかで、協力し合ってた雰囲気は微かにあった。

僕は、彼らに対して、物凄い怒りを感じた。

一瞬の中で、様々な感情や思いが、沸き起こってくる。

ストーンタウンは小さい街だ。彼らを見つけようと思えば見つけられる。住んでるところも粗方目処がつく。今度会ったら、怒鳴りつけて、お金を取り返してやるからな!

取られたのは、「900円」くらいで、正直、大した額じゃない。

だが、実際、「お金の金額」の問題じゃない。

僕は、『自分を騙してきた』ということに対して、大きな怒りを感じた。

詐欺をされると、「こんなに腹が立つんだ」と初めて知った。

こんな思いになるんだ」と初めて経験した。

数分間、身体中を包み込むような怒りを感じながら、頭の中は、フル回転。

しかし、ここで、冷静な自分も現れる。

“実際、彼らを見つけ出して、自分の怒りを相手に返すことも出来る。”

“でも、それをしたら、相手と同じだ。”

“自分も相手と同じレベルになってしまう。”

“それに、自分がザンジバル島で過ごすことの出来る限られた時間を「彼らを探したり、怒ったりする時間」に費やすくらいなら、

ザンジバル島でしか楽しめないことを楽しむ時間に、費やした方がいい。”

自分をそう説得すると、体の底から溢れ出るような怒りも、徐々に鎮まってきた。

ヌングイで過ごしてる2日間の中で、時折ふと、僕を騙してきた彼らのことが、頭に浮かんでくることもあった。

だが、僕はもうそこで、この出来事を手放すことに決めた。

決して、この出来事を無かったことにするというわけではない。

彼らに、僕の時間を奪えさせはしない。」ということだ。

まあ、今、あの出来事を振り返ってみると、本当に安く済んで良かったなぁと思う。笑

ダラダラに乗るなら、この3つを気を付けろ!

ここまでは、僕がダラダラで詐欺に遭った話を書いてきたが、

最後に、ダラダラを利用する上で、気をつけるべきことを僕の経験から共有したいなと思う。

ダラダラの運賃は、バスがちゃんと発車してから、支払うこと

大きい荷物がある場合は、ダラダラの後方ではなくドア付近の座席を出来るだけ確保すること

相場をきちんと把握しておくこと

1. 運賃の支払いは、必ず、バスの発車後に!

①の理由
ダラダラは、乗車時にお金を払うシステムではなく、自分が降りる目的地に近付いたら、お金を支払うシステムになっている。

2. 大きい荷物があるなら、ドア付近の座席を確保!

②の理由
ダラダラ内は、満席になることが多い。

自分は、1番後ろの席に座り、大きな荷物は、ダラダラの入り口付近に置いたのだが、人が多いため、大きな荷物が自分の視界から消えてしまった。

下手したら、中身を盗まれるので、なるだけ自分の近くに置こう。

あと、

海外を旅する上で、『自分の荷物は必ず、自分の視界に置いておく』べきだ。

3. 利用する前に、相場は、きちんと把握!

③の理由
当たり前だが、相場を知らないと、騙されても気が付かない。

相場の倍の値段の時は、特に注意しよう。

これらのことを守れば、「ダラダラ詐欺」に騙される確率は、格段に減ると思う。

すごく基本的なことではあるが、平和ボケして育った多くの日本人には、意外と身についてないスキルだ。

あとは、

*疲れを溜めないでおくことも、凄く大切!*

あの詐欺は、色んな要因が重なって、成功したのだが、もしあの時に自分が疲れてなかったら、まず騙されていなかった気がする。

だから、疲れは溜め過ぎないように!笑

みんなには、僕の失敗から学んで、快適に、ダラダラを利用して、旅を楽しんで欲しいなと思う。

それでは!



2件のコメント

こんにちは。

日本人で失敗談を投稿する方々は少ないので
参考になったというか、色々とアフリカ旅を思い出しました。

最新の相場や低コスト情報を得るには
ドミトリーホステルまたはドミトリールームのあるゲストハウスをお勧めします。
予算に限度のある若者やネット投稿、評価を積極的にする宿泊客が多いので
宿のオーナーやスタッフが宿泊客が騙されたり損しないように
色々な相場や情報を提供してくれる場合が多いです。

なので直ぐにチャーター車やタクシーを手配しようとする高級ホテル、
常駐スタッフがいないAirbnbなどの民泊には宿泊しないようにしています。

今年の年末頃には海外渡航が出来るであろうと、
昨日、2021年~2022年にかけての年末年始エチオピアinタンザニアoutの航空券を予約購入しました。

こんにちは。

タンザニアのザンジバル島を旅していた時、僕が訪れたのがシーズンオフということもあって、
たくさんの現地の人から、声をかけ (商売を吹っかけ) られました。

彼らは、「仕事が無くて、生きていけない。もう2日間、水しか飲んでないんだ。」と、
自分たちの苦しい状況を訴えながら、アクティビティーの勧誘をしたり、商品を売り込んできたり。

自分がいかに弱者なのかをアピールしながら、旅人の懐に入ってきます。

でも僕は、彼らの言葉を信用しませんでした。

言葉は信用せずに、まるで彼らを透視するように、
ただ客観的に、観察しながら行動していました。
(とかっこいいことを言いつつ、騙されましたが。笑)

そして、昨年、コロナという社会現象が起き、世界の観光業が中断へ。
圧倒的に観光客は減り、その数は、ほぼゼロになったかと思います。

あの時僕に声をかけてきた彼ら=(観光客に依存して商売をしていた人たち)は、
僕がタンザニアを訪れた時よりも、圧倒的な仕事の数を、長期的に失ったはずです。

もし彼らが僕に言った言葉が真実なら、今頃、彼らは皆、死んでいるでしょう。
けれど、彼らは、きっと今も生きていることかと思います。

僕はタンザニアでの一人旅の経験を通して、約2年が経ち、

自分の仕事がなくなったとしても、新たに仕事を探せばいいし、
経済が崩壊しようが、そんなこと知ったこっちゃない。

自然の豊かさ (水や米、小麦、バナナなど) があれば、
「人って死なないんだな」ということを学びました。

なんだが、当たり前のことですが、
このことって、凄く重要だと思うんです。

現代人のほとんどは、このことを忘れてるんですよ。。。

旅って、良いですね!!

僕がこの記事を通して、最も伝えたかったことは、
失敗しないようにではなく、「旅とは何か」なんです。

乗り心地の悪いバスで、見知らぬ黒人たちと、11時間バスに揺られ、
毎日、朝昼晩、日本ではお目にかかれない料理を食べ、板みたいなマットレスで寝て、
街を歩けば、キャッチに会いまくり、断っても、ずっと付いてこられ、バナナや水を買いに行っても、
相場よりも、2倍〜10倍の値段を吹っかけて来るため、毎度交渉するハメになる。

色んなストレスが、自分でもわからないうちに、溜まっていき、
常に気を張っている状況にひどく疲れ、ガス抜きのように、気を抜いた瞬間に限って、
すうっと、奴らは現れ、お金を騙し取って来る。

相場を知っていても(わかっていても)、それ通り身体が動けなかったりするのが、旅なんですよね。

僕は、ケニアを旅して、その後、タンザニアへ行きましたが、
ケニアとタンザニアでは、お金の種類や単位も似てるけど異なるし、相場の価格も結構違う。

また、連続で旅をしていると、相場も、色々ごっちゃになってきたりもします。笑

確かに、スリランカとかでは、ネットでの評価を気にするオーナーが多かったので、
ドミトリーやユースホステル、ゲストハウスなどで、色々な相場や情報を親切に提供してくれました。
ただ、タンザニアでは、あんまりそれは期待できないかなぁと思います。

というのも、タンザニア人って、「親切」という概念を知らないんです。
(それは、釈迦という人物の影響を全く受けてない民族だからというのもあるのですが…)

彼らなりに質問には答えてくれますし、自分たちの評価が落ちるようなことはやりませんが、
旅人のことを思って、色々教えてくれる人は、中々巡り会えないです。

そして、ややこしいのが、凄く親切だなぁと感じる人に限って、詐欺師なんです。笑笑
だから、逆に言うと、あまり親切すぎない人(ちょこっと優しい人)が、タンザニアでは、最も信用出来ます!!!

なんか、タンザニアの良くないことばかり述べてるようですが、
良い悪いではなくて、ただ単に、僕個人の観察の結果を中立に述べました。

タンザニアは、アルーシャを拠点としたサファリも、もちろん魅力的ですが、
中でも、ザンジバル島は、世界中で、ここでしか経験できないことが出来ます。

今の東京都23区に、江戸の面影は全くありませんが、ザンジバルのストーンタウンは特に、
オマーンに支配され、ポルトガル、イギリスに支配されたスワヒリ人が、まるであの頃のように生きています。

砂浜に行くと、昔と外見がそのままのダウ船があり、迷路を創り出す建物も、骨格や大部分は、そのまま。
ヌングイなどのリゾートだけに宿泊せず、ストーンタウンの街中の宿に泊まれば、まさにタイムスリップです。

たとえアフリカに行っても、首都やサファリへ直行するなどの観光では
先進国を観光するのと、景色の違い以外は同じです。

現地の奥へ深くへと旅する、脱線こそが、アフリカの醍醐味ですね。
(短い日程では厳しいですが、…)

色々事前に調べられることは調べた上で、
是非旅する時は、現地に行ったからこそ見えるもの、
ネットやガイドブックでは知りえない世界を体験してきて下さい。

年末年始のエチオピアinタンザニアの旅、楽しみですね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です