東アフリカを代表する世界遺産の1つ「ンゴロンゴロ保全地域」。
まさかのしりとりの常識を覆す「ん」から始まる、インパクトのある名前だ。笑
因みに、この『ンゴロンゴロ』というのは、マサイ語で、『大きな穴』という意味。
その名の通り、
この「ンゴロンゴロ保全地域」というのは、クレーターの底 (火口原) のエリアを指す。
本当は、その様子をお伝えしたいけれど、
面積がデカ過ぎて、写真に入りきらなかった。。。
これは、クレーターの底 (火口原) から撮ったアングルなのだが、
火口原でさえ、標高が、約1800mある。
そして、野生動物が数多く生息する、この火口原には、宿はなく、
写真の正面に映る山である火口縁の部分のみ、ロッジやキャンプ場がある。
ンゴロンゴロへのアクセスは、
タンザニアの「アルーシャ (Arusha)」という街を拠点にする。
そこから、西へずっと行くと、「カラトゥ」という小さな町があり、そのまましばらく車を走らせると、
上の写真のような「ンゴロンゴロ保全地域」のゲートが、出現。
このゲートを超えると、一つのビューポイントがある。
みんなここに寄っていくと思う。
意外と、火口縁は、木に覆われていて、
こんな感じで、ンゴロンゴロの火口原を眺められるポイントは少ない。
なので、意外と、貴重な光景だ。
ビューポイントでの景色を堪能したら、
そのまま道なりに進む。
因みに、この道は、セレンゲティ国立公園の方に、繋がっていて、火口原に降りず、そのまま真っ直ぐ進んでいくと、2,3時間後には、セレンゲティだ。
僕たちのツアーグループは、最初に、
アルーシャから、ンゴロンゴロの火口縁を通過し、セレンゲティまで行き、その後、ンゴロンゴロを訪れた。
ンゴロンゴロの植生とセレンゲティの植生というのは、また全然違う。
なので、道中の自然環境の変化も、非常に興味深い。
この日は、到着が、夕方だったので、
「ンゴロンゴロ」のサファリは、次の日の早朝から。
クレーター内 (火口原) への進行は、
朝の6時半くらいから、許可されるので、その少し前に出発すると、サファリカーのドライバーから告げられた。
僕は、ケニアの現地のサファリ会社で直接ツアーを申し込み、予算もギリギリだったため、ロッジ泊ではなく、キャンプ泊を選んだ。
基本的に、各サファリ会社が、テントや寝袋は、貸してくれる。
*一応、各ツアーによって異なるので、確認は必要だが、基本ついてるはず。*
サファリカーには、ドライバーと、もう一人料理人が同行する。
僕たちが、サファリをしている間に、キャンプ場で、朝飯やランチ、夕食を作ってくれるのだ。
だが、料理人と言っても、正直、味は期待できない。
というか、キッチン、汚過ぎでしょ…。
因みに、この夕飯や朝食を食べたりする間には、Wi-Fiもある。
でも、あまりにも弱過ぎて、使いものにならなかった。まあそれは、期待してなかったのでどっちでも良かったのだが、
ここで、一つ想定外のことが、あった。
宿泊エリアである火口縁は、
標高が、約2300-2400mあるのだが、乾季の9月でも、
朝晩の気温が、冬並みに、寒いのだ。
正直、僕は甘く見ていた。
昼間は、暑いので、半袖も必要だが、
朝晩を夏服で過ごすのは、なかなかの修行である。笑
朝は特に、10度をきるし、風もあるので、
「ンゴロンゴロ」でサファリする人は、
厚手のパーカーや、ユニクロのウルトラライトダウンなど、“ 防寒対策 ”をきちんとしておくのが、おすすめだ。
キャンプ場に宿泊する人は、特に、暖かい格好が、必要だが、
ロッジ泊する人も、早朝のサファリの時とか、寒いはずなので、7度くらいの気温でも大丈夫な服装を用意しておくことをおすすめしたい。
身体が冷えて、トイレをしたくなっても、サファリ中は、その辺で車から降りてトイレなんて出来ないので、地獄が待ち受けている。笑
トイレ休憩がないわけではないが、5時間に1回くらいの頻度だ。
次の日の早朝、朝ごはんを食べて、早速クレーター内へと降りて行く。
昨日の夕方は、かなり晴天だったのに、朝は、霧が凄かった。
そして、車を走らせて、数分後に、車にまた異変が起きた。
実は、前日に、セレンゲティ国立公園でサファリをした帰りに、車のエンジンが故障したのだ。
その時は、5,6分で直ったけど、きっとまた故障する可能性があるから、車の修理をするか、別の車に変えるだろうと思っていたのだが、ドライバーは、何も車のケアをしてなかったことが、そこで判明した。
昨日は、15時過ぎには、キャンプ場に到着し、あんなに時間があったのに…。
「クレーター内で、車が動かなくなったら、最悪じゃん。そうなったら、どうすんの?」
とか、色んな思いがよぎりながら、車が動くのを待っていた。
すると、朝の散歩をしていたマサイ族の1人が、僕たちの車を通りかかった。
何やらドライバーとスワヒリ語で会話をしている。
僕たちには、その言葉が理解できないので、状況が把握しにくかったのだが、
彼は、なんと、近くの村から、ガソリンを持ってきてくれた。
その人の助けを経て、なんとか車は復活し、ようやく、クレーター内へと向かうことが出来た。
救世主のマサイ族に感謝だ。
朝は、アニマルチャンスなので、みんないち早く、車を走らせて行く。
「ンゴロンゴロ」は、クレーターへ降りる道と登る道が定められており、一方通行である。
それもあって、ドライバーたちは、競う合うように、手続きを済ませて、クレーターの底 (火口原) へと急ぐのだ。
しかし、僕たちは、車の故障もあって、みんなから出遅れていた。
だが、動物というのは気まぐれで、出会いは、運である。
早くスタートすれば、大物に出会えるわけでもないし、
全ては、タイミングだ。
火口原へと降って行く途中で、車が渋滞し始めた。
なんと、道中に、ライオンがいたのだ。
クレーター内へと降りて行く道も、一本道なので、車の順番待ちが起きた。
みんな出来るだけ、近くの場所をキープして、我の乗客を満足させようと、なかなか、前に進んでくれない。
すると、後ろの車が、「もう十分見ただろ!前に進んでくれ。」と、ドライバー同士で、言い合いも始まる。笑
野生動物は、気まぐれなので、いつその場を去るか、全くわからないのだ。
なんと、遠くにいた時は、気がつかなかったのだが、
少しずつ前に進んでいき、ライオンとの距離も近くなってくると、
4頭だと思っていたライオンは、6,7頭いた。
昼間に、ライオンを見ると、大体、気が抜けた状態で、ゴロゴロ草むらで転がってるだけだが、
朝のライオンは、くつろぎつつも、凄く冴えていた。
リラックスしてるけど、なんか鋭さも感じた。
一台、一台と、車が進んでいき、自分たちの車も、最も近いポジションへと来た。
6,7頭いる中で、僕は、この2頭に惹かれた。
しばらく、観察していると、
片方のライオンが、すりすりし始めた。
遠目ではわからなかったのだが、
どうやら、この2頭は、親子みたいだった。
上の写真は、子供のメスライオンが、母親を舐めている瞬間だ。
なんか、僕は、この様子を観察していて、凄い愛を感じた。
約7日間、ケニアとタンザニアの色んな国立公園で、サファリをした中で、個人的に、最も印象に残ってるシーンの一つだ。
ライオンを観察後、火口原に降りてきて、1番最初に出会ったのは、
「ホロホロチョウ」。
マサイマラ、セレンゲティ、アンボセリ、マニヤラ湖など、色々サファリをしてきた中で、僕は、ンゴロンゴロでしか、ホロホロ鳥を見なかった。
近くには、「カンムリヅル (Crowned Crane)」もいた。
みんな虫を探してるのかな?
ダチョウって、黒色の羽をしてるイメージだが、
それは、オスで、メスは、茶色の羽毛だ。
なんか、メスのダチョウが、踊ってるなぁと思っていたら、
少し離れたところから、オスが視線を送っていた。笑
個人的には、ダチョウが走ってる姿を見たかったのだが、
実際のサファリでは、一度も走ってるところを見れなかった。
基本的に、ダチョウは、のんびり歩いてる。
僕は、東アフリカの旅の中で、約6箇所の国立公園で、サファリをしたけれど、
その中でも、「ンゴロンゴロ」の自然は、好きだった。
実際に、火口原に降りて来ると、まるで天国なんだ。
肉食動物や草食動物が、平和に暮らしていて、360度山に囲まれ、湖もあり、雲で覆われた空の隙間から、太陽の光が差し込んでくる。
僕が訪れたのは、乾季の9月だったので、草は黄色がかっていたが、
雨季になると、ここは、一面、緑になる。
ンゴロンゴロは、まさに動物の楽園だ。
そして、順調に、
天国のンゴロンゴロで、サファリを楽しんでいた僕たちに、悲劇が訪れるなんて。。。
続き : クレーターの底「ンゴロンゴロ」で、まさかの事件勃発!?(後編)
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