前回の『一生に一度は、経験したい「マサイマラ国立保護区」で、サファリ!(Pt.1)』の続き。
サファリの1日目は、夕方からで、3,4時間くらいだったが、
2日目は、朝から、約10時間ほど行った。
それでは早速、どんなサファリだったのか、見て行こう。
*実際に、マサイマラでのサファリを考えてる人向けに書いてるので、少し記事自体は長くなりました。現実的な情報が必要でない方は、写真だけパラパラと眺める感じでもアリです。*
マサイマラで、朝からサファリ!
まず、自然保護区内に入って、
最初に、目に飛び込んで来た野生動物の世界は、意外と、騒がしかった。
インパラは、オス同士で、角合わせをしていて、ジャッカル達が、トムソンガゼルを追いかけている。
草食動物も、足が非常に速いので、あっという間に、僕たちの視界の外へ消えてしまった。
自然保護区内に入って、最初に出会った動物達は、騒がしかったが、
公園の奥へ行くにつれて、のどかな世界が広がっていた。
シマウマ、ヌー、ガゼルたちは、各々に、草を頬張る。
テレビでアフリカのサバンナをみていた時は、狩のシーンが多かったから、そういうイメージを持っていたけど、実際に、アフリカでサファリをしてみると、意外と、
野生の世界というのは、平和で静かである。
基本的に、「天国」だ。
肉食動物も、お腹がいっぱいの時は、すぐ近くに草食動物がいても、全く追いかけないし、このマサイマラという豊かな自然の中で、共存している。
だが、平和ぼけしてるわけでもなく、常に危険とは隣り合わせだ。
命をかけた追いかけっこは、突然始まる。
ただ、ほとんどの時間は、平和で、静かだ。
野生動物達が、激しく動く時間は、1日の中でも、ほんの一瞬でしかない。
この動物は、「トピ (Topi)」。
あまり取り上げられない動物だが、
実は、草食動物の中で、最も足が速い動物の1つだと言われてる。
まるで馬のような立派な筋肉を持つアンテロープだ。
朝のサファリ開始から、約1時間過ぎた頃、
メスのライオンが、一頭いた。
ケニアやタンザニアのサファリでは、
オスのライオンよりも、メスの方が、遭遇しやすいかもしれない。
大体、メスは、集団行動だが、この時は、単独で行動していた。
朝だったので、狩りを期待していたが、
このライオンは、全然お腹を空かせてなかったようだ。
朝の8時くらいには、こんなに明るくなっている。
みんな、集まって何をしてるかと言うと、
先日、泥沼にハマって動けなくなってしまっていた車の救出する様子を見物してる。笑
動かなくなった車にロープをつけて、別の車で引っ張るのだが、
これが中々、簡単にいかない。
結局、40分くらいやっていたと思う。
個人的には、車はレンジャーに任せて、サファリの続きをして欲しかったが、
ドライバー達は、休憩しかったみたいだ。笑
マサイマラでの「服装」
因みに、僕が、マサイマラを訪れたのは、
「乾季のシーズンである9月半ば」。
だが、朝晩は、かなり冷える。
上の写真を見てもらうとわかるが、みんな結構厚着をしていると思う。
半ズボンの人は、誰もいないし、割と厚手のパーカーを着てる。
僕は、薄い生地の長ズボンと厚みのないパーカーを来ていたのだが、寒くて堪らなかった。
でも逆に、日中は暑いので、
インナーは、半袖にして、長ズボンと少し厚めのパーカーくらいが、おすすめだ。
因みに、もし、マサイマラだけでなく、ンゴロンゴロにも行く場合、
ンゴロンゴロは、もっと朝晩寒いので、薄手の羽織りものだと、サファリに集中出来ないと思う。
寒くなってお腹を壊しても、サファリ中は、5時間に1回くらいしかトイレにいけないので、地獄が待ち受けてる…。笑
さあ、気を取り直して、サファリ開始だ。
しばらく、巡回していると、
今度は、オスのライオンを発見!
マサイマラは、「ライオンの王国」だ。
普通は、こんなにたくさん、野生のライオンを見ることは出来ない。
「セレンゲティ国立公園」とこの「マサイマラ国立保護区」が、世界で最も野生のライオンが数多く生息してる地域だと思う。
この2箇所のどちらかで、サファリを数時間して、
もしライオンと出会えなかったら、
あなたは、逆に凄い!!
このライオンは、髪型が、…。
因みに、ハイエナは、生息してるが、僕は一度も見かけなかった。
もしハイエナを見たければ、「アンボセリ国立公園」や「ンゴロンゴロ保全地域」の方が、遭遇率は高いかもしれない。
*また、リカオンは、東アフリカ (ケニアやタンザニア) ではなく、ボツワナなど、南アフリカの方が、生息している。*
この日は、長時間のサファリだったので、タンザニアとの国境になっているマラ川の方まで、向かうことに。
その途中に、キリンの家族がいた。
実際のサファリで、遠くから野生動物の存在がわかるのは、キリンくらいだ。笑
あとの動物は、ある程度近付かないと、わからない。
ゾウも大きいから、見つけやすそうだが、色が灰色で、意外と、目立たない場所にいることが多いので、そんなに遠くからは、発見しにくい。
*マラ川*
マサイマラの中央部へ行き、そこから南下して行くと、
タンザニアとの国境沿いへ来る。
この地図のオレンジ色で、囲んだ場所が、
タンザニアのセレンゲティ国立公園。
ピンク色の小さい地域が、
マサイマラ国立保護区だ。
因みに、セレンゲティと比べると、かなり小さく感じるが、
マサイマラは、大阪府くらいの面積がある。
そして、セレンゲティは、ほぼ関東くらいの大きさだ。
マサイマラとセレンゲティは、隣接しているものの、その国境は、閉鎖されていて、渡ることが出来ない。
僕は、当初、マサイマラとセレンゲティ、ンゴロンゴロの3ヶ所だけ行ければいいと思っていたので、
ケニアのナイロビから、マサイマラへ行き、国境をそのまま通過して、セレンゲティに入り、ンゴロンゴロも行き、タンザニアのアルーシャあたりから日本に帰るルートを考えていたのだが、
マサイマラとセレンデティの国境は、
『封鎖されてる』ので、
陸路で、12時間くらいかけて、ナマンガという国境まで向かって、そこからタンザニア入りして、またセレンゲティまで、6,7時間かけて移動するという大変なルートで、旅をした。
もし、マライマラとセレンゲティの両方に行きたい人は、
地理的に隣接してるのだが、合理的に移動できないことは頭に入れておこう。
2016年に閉ざされ、僕が訪れた2018年も、閉鎖されていて、おそらく、今後もしばらくこの状況が続くだろう。
色々問題が起きたのだ。
マサイマラには、何箇所か、「ヒポプール」と呼ばれてる場所がある。
カバの縄張りだ。
気持ち悪いくらいに、カバがたくさんいる。
サファリカーによって、ランチのポイントは異なるが、
このヒポプール近くで、ランチ休憩を取るツアーも多いだろう。
カバは、世界一凶暴と言われてるくらい危険な動物だが、
彼らの縄張りに入らなければ、安全である。
ランチを食べたら、サファリ再開だ。
ゾウが、美味しそうに葉っぱを食べている。
「ヘビクイワシ (Secretary Bird)」だ。
観察していると、結構面白い。
因みに、こうやって、動物の写真を並べると、常に動物がいるように思えるが、
実際は、30分車を走らせても、全く動物を見かけない時間帯もある。
そういう時は、大体、サファリカーの乗客は、気持ちよく寝てる。笑
程よいガタガタの道で、良い感じに揺れて、眠くなるのだ。
で、ドライバーが、大物を発見したりすると、起こされる。笑
一体、誰が、こんな場所にいるヒョウを見つけたのだろうか。
これでも、カメラのズームを使ってるので、実際は、肉眼だと、視力2.0くらいないと、見えない。
ヒョウは、「アフリカのビッグ5」と言われる動物の中で、最も出会いにくい動物の1つだ。
なぜなら、上の写真のような場所で、日中のほとんどを過ごすからだ。
夜は、表に出てくるかもしれないが、
明るい時間帯は、こういう茂みの木陰で、休憩してる。
今回は、ヒョウに近づけなかったので、諦めて、
しばらく、グルグルと、徘徊していると、
ドライバーが、何か無線で情報を掴んで、車をかっ飛ばし始めた。
なんと、「クロサイ」がいた。
マサイマラで、クロサイを見るのは、かなりレアらしい。
乗客よりも、ドライバーが、興奮していた。笑
アフリカのサイは、
『シロサイ』と「クロサイ」の2種類いる。
中でも、クロサイは、特にシャイで、滅多に見ることが出来ない。
南アフリカの方では、そんなにレアじゃないらしいが、
ケニアとタンザニアで、クロサイを見るのは、非常に難しい。
「ビッグ5」の中で、サイだけ見れなかったという人は、意外に、たくさんいる。
関連記事 : アフリカ・サファリにおける常識用語「ビッグ5」とは!?
因みに、クロサイとシロサイの主な見分け方は、
濃い灰色か、薄い茶色系の灰色か。
ただ、サイは、野生動物の中でも、非常に繊細なので、ストレスを与えないことが大切だ。
車が近づきすぎると、すぐ居心地が悪くなって、走り去るだろう。
オフロードとオンロード
自然保護区や国立公園は、車の通行できる部分が、決まっている。
上の写真のように、ちょうどヌーのいる部分が、オンロード (道の上) だ。
道のある部分は、通行可だが、
草の上を走るのは、『厳禁』である。
日中は、パークレンジャーも数台、周回してるのだが、もし、パークレンジャーに、オフロード (芝の上) を通ってるところを見られたら、ドライバーは、多額な罰金を払わないといけない。
オフロードを走っちゃいけないのは、草を守るためだ。
車で何度も通ると、草がダメになってしまうので、監視されている。
因みに、自然保護区のゲートを抜ける際に、パークレンジャー (公園事務所の人) は、それぞれの車のナンバーを記録している。
そして、もし周回中に、オフロードを走ってる車がいたら、その車のナンバーを撮っていて、ゲートを抜ける際に、捕えるのだ。
なぜなら、どの道、サファリカーは、日没前に、公園の外に出ないといけないので、逃げ道はない。笑
でも、マサイマラは、かなり緩い方である。
だから、ドライバーたちは、
パークレンジャーの監視の目をかいくぐって、大物がいた時は、オフロードを走って、近付いてくれる。
*ヒョウは、英語だと、「レオパード」。*
そうでもしないと、こんな感じで、
ヒョウの写真を取ることは、ほぼ不可能だ。
ある程度近付かないと、良い写真は取れないし、やっぱり、出来るだけ間近で見たいのが、人間だ。
だが、もちろん、
長い時間オフロードにいると、
パークレンジャーに見つかるので、さっと車を寄せて、ある程度観察したら、すぐにオンロードへ引き返す。
因みに、お隣のセレンゲティなど、
タンザニアの国立公園や自然保護区でもサファリでは、絶対にオフロードを走らない。
僕は、タンザニアのセレンゲティ、ンゴロンゴロ、マニヤラ湖国立公園の計3ヶ所で、サファリを経験したが、4日間サファリをして、一度も、オフロードを走らなかった。
ケニアのマサイマラは、緩めだが、タンザニアは、めちゃくちゃ厳しい。
というわけで、こういう事情があり、タンザニアの国立公園では、動物にあまり近付けない。
そういうこともあって、僕は、個人的に、
セレンゲティ国立公園よりも、マサイマラ自然保護区の方が、おすすめだ。
上の写真は、マサイマラだが、
右三台は、厳密にいうと、アウトである。
タンザニアでも、ケニアでも、オフロードを走るのは、厳禁だが、
マサイマラは、ある程度黙認してる部分もある。
一応、周回して監視をするが、
「僕たちの目に触れないなら、ちょこっとだけやってもいいよ。」という雰囲気がある。
「でも、もし目に触れたら、容赦なく、罰するからね。」
というのがあるため、ドライバーも、好き勝手にはしない。
草を守ることは、野生動物の命を守ることでもあるので、
僕は、このオフロード厳禁には、賛成だ。
大切なルールだと思う。
ただ、もし、マサイマラか、セレンゲティのどちらかで迷っていたりしたら、「マサイマラの方が、野生動物に、近付くことができる。」ということは、一応、伝えておきたい。
最後に
動物園でも、ライオンを見れるかもしれない。
でも、ライオンたちが、
実際に草食動物の狩りをしてるところや、その捕まえた獲物を食べてる姿は、
お目にかかれない。
僕はぜひ、
殺したばかりの動物の生肉に食らいつき、食後に、地面でゴロゴロしながら、大きくお腹を動かし、呼吸し、食べた肉を消化してる様子を間近で見て、生命を感じてみて欲しいなと思う。
きっと、「生きるとは、何か」を考えさせられるはずだ。
最後に、おまけの情報として、
サファリをしていると、
意外と、日焼けをする。
もし、日焼けが嫌な人は、『日焼け止め』を持参しておいた方が良い。
1日サファリをしたら、結構みんな真っ赤になっていた。笑
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