クレーターの底「ンゴロンゴロ」で、まさかの事件勃発!?(後編)




タンザニアの「ンゴロンゴロ保全地域」は、

まさに、野生動物の楽園だ。

草、湖、虫、草食動物、空気。

彼らにとって、生きていくために必要な全ては、この中にある。

*ンゴロンゴロ (Ngorongoro)*

クレーターの火口縁には、雲が覆い被さっている。

早朝は、クレーター全体が、雲と霧で覆われていたが、

昼に近づくに連れて、太陽光と風が、その雲を切り開いていく。

分厚い雲だ。

クレーター内 (火口原) から、その光景を見ると、なかなかの迫力がある。

国立公園や自然保護区は、車の通れる道が、定められている。

平坦でも、草の上を通るのはダメだ。

特に、タンザニアという国は、その部分に関して、徹底してる。

「ンゴロンゴロ保全地域」や「セレンゲティ国立公園」は、タンザニアにあるので、

オフロード (草の上) は、絶対に走らない。

定められた道に沿って、

ドライバーは、ゆっくりと、運転していく。

すると、トムソンガゼルの群れがいた。

ドライバーによると、彼らは、数週間ごとに、テリトリーを移動させていくらしい。

自分たちの糞で、肉食動物に居場所が見つかるからだ。

トムソンガゼルの1箇所に集まってる姿は、なんか可愛らしかった。

道を挟んで、反対側を見ると、

カバがいた。

とにかく、カバは、デカイ!

近くで見ると、尚更、

その大きさに圧倒される。

湖には、2頭のカバが見える他、フラミンゴがいた。

実は、あのナクル湖よりも、数が多い。

関連記事 : フラミンゴが、全然いない!?それでも行く価値あり『ナクル湖国立公園』の魅力。

フラミンゴが、一斉に飛んでいく姿は、美しい。

初めて、アフリカでサファリをした時は、シマウマを見て興奮していたが、

慣れとは恐ろしいもので、

いつの間にか、シマウマには、目もくれなくなる。

でも、シマウマを見る度に思うのは、彼らの胴体は、かなり分厚い。

しかも、牛のようにダブダブではなくて、凄く引き締まっている。

サファリカーが、大集結!

大物の肉食動物が現れたのかと思いきや、

バッファローの群れが、道を横切っていて、前に進めないのだ。

彼らは、かなり凶暴な面も持っていて、人間にあまりフレンドリーじゃないので、距離を取ることが大切。

小学校の教科書で、出てきた「ウシツツキ」が、バッファローに乗っかってる。

よくよく見ると、

オスのライオンが、寝そべってる。笑

草の色と同化しすぎて、わかりにくい。

車の通れる場所から結構離れていたし、

しばらく動きそうになかったので、僕たちは、諦めた。

泥まみれのハイエナもいた。

でも、また、距離が遠く。

眺めるのみ。

因みに、僕は、マサイマラでは、ハイエナを見れなかった。

関連記事 : 一生に一度は、経験したい「マサイマラ国立保護区」で、サファリ!(Pt.1)

いつの間にか、あの分厚い雲は、消え、青空が広がっていた。

ンゴロンゴロの景色は、格別だ。

ヌーは、群れで行動するので、

意外と、単独の写真は、少ない。

群の中で、かっこいいポーズをしてたヌーが、一匹いたので、写真に収めた。

こう見ると、あのヌーも、カッコ良く感じる。

素晴らしい天気に、ライオン、ハイエナ、

僕たちのサファリは、間違いなく順調だった。

しかし、ここで、事件が起きた。

車が、壊れたのだ。

ガソリンが漏れたかなんかで、エンジンがかからなくなった。

しかも、クレーターの底のド真ん中で。

サファリをするクレーター内は、日暮れまでには火口原を出て、火口縁に上がっていく必要がある。

夜行性の肉食動物のテリトリーで、夜を過ごすのは、危険だし、自然や野生動物を守るためのルールになってるのだ。

そして、僕は今日の夕方には、マニヤヤ湖国立公園へ。

さらに、一緒に乗り合わせていた南アフリカ人の3人は、今日中に、アルーシャまで戻らないといけなかった。

緊急事態に、僕たちも、手伝おうとしたが、

ドライバーは、車を乗客に触らせたくないらしく、2,30分経っても、車は、一向に動く気配がない。

その時は、周りに動物が全然いなかったので、アメリカ人のおじさんは、車から外に出て、草の上で、景色を眺め始めた。

なんか、景色に溶け込んでる。

結局、40分くらいかけて、修理に努めたが、直せず。

テンパってるドライバーを見ると、

昨日から何回も、車の不調が起きてたのに。。。

関連記事 : 動物の天国「ンゴロンゴロ保全地域」で、サファリへ。(前編)

これが、初めてなら、しょうがないけど、

3回くらいサインがあったし、兆しがあったし、対応する時間も十分にあったのに、最悪の結果を何も想定せずに、なす術のなくなってる姿を見たら、

本音を言うと、僕には、ドライバーの準備不足にしか見えなかった。

とはいえ、起きてしまったのだから、

その状況でどうするかに努めないといけない。

だが、進展する気配が、全くない。

すると、

そこに一台のサファリカーが通りかかった。

8人くらい乗れる車に、2人の欧米人男性しか乗っていない。

多くのサファリカーは、自分たちのサファリに夢中で、全然立ち止まってくれなかったが、

彼らは、立ち止まって、気にかけてくれる心に余裕のある人たちだった。

ドライバー同士で、何かを話し合った結果、

彼らが、僕たち乗客をのせてくれて、少しサファリをした後、マニヤラ湖国立公園近くのキャンプ場まで、代わりに連れて行ってくれることに。

またもや、救世主だ。感謝しかない。

ということで、

新しい車に乗り換え、サファリ再開!

クレーターの底で、車が故障して動かなくなった時は、最悪だと思ったが、

結局、全然違う会社のサファリカーに乗り換えることになり、さらに、その車が、僕たちが乗っていた車よりも、良い車で、高級サファリツアーをしてる気分だった。笑

そして、また、ドライバーや乗客が変わると、

サファリの景色も、ガラッと変わった。

同じンゴロンゴロでのサファリなのに、景色の見方が異なるのだ。

これは、非常に興味深い体験だった。

僕は、海外で一人旅する時に、

同じ街でも、あえて、この日は、高級よりの中級ホテルに、次にその街に戻ってきた時は、最も安い宿に泊まったりすることがある。

そうすると、同じ街に滞在しても、全く違った景色に変わるからだ。

安宿で手に入れられる情報と中級ホテルで流れてくる現地の情報も違ったりする。

今回の件も、それと似た感じだった。

だから、非常に新鮮だった。

サファリを再開すると、

新しいドライバーが、ジャッカルを見つけた。

こちらは、「キンイロジャッカル」だ。

驚くほどに、

このジャッカルは、想像以上に小さかった。

正面から撮りたかったが、

車の進行方向とは、逆方向に走って行かれたので、背後からの写真しか撮れなかった。

ンゴロンゴロには、「レライの森」という休憩ポイントがある。

ほぼ唯一のトイレ休憩のできる場所だ。

確か、「トイレットペーパー」はなかった気がするので、持参しておくのが、おすすめ!

そろそろ、サファリのお開きのお時間だ。

今は、火口原 (クレーターの底の部分) にいるが、これから火口縁に登っていって、そのまま、アルーシャの方へと向かう。

最後に、顔を見せた動物は、

シュモリドリ」だ。

頭の形が、ハンマーみたいだから、英語では、「Hammerkop」と呼ばれている。

サファリーカーで、登っていく道の途中からの景色。

野生動物の天国「ンゴロンゴロ」の見納めだ。

さて、次回は、

果てしない草原「セレンゲティ国立公園」でのサファリをお届けしたいなと思う。

☆おまけ☆

実は、ンゴロンゴロの近くにも、マサイ族の村はいくつかある。

そして、マサイマラのマサイ族とは、また雰囲気が全然違う。

民族に興味のある人は、両方とも訪問してみるのも、アリだと思う。



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