2015年の夏。
僕は、大学の友達と一緒に、バリ島を訪れ、約2週間ほど滞在した。
最初の1週間は、バリ島の内陸部の「ウブド (Ubud)」で過ごし、残りの1週間は、海岸部のヌサドュアやクタという感じで、山のバリ島と海のバリ島を味わった。
*ティルタエンプル寺院 (Pura Tirta Empul)*
バリ島で学んだこと
それは、「予定に縛られない」という生き方。
ちょうど、バリ島を訪れた頃の自分は、よく、理性と直感の板挟みになることが多かった。
19才の時の脾臓の怪我によって、「もっと自分の直感や心の声に従った生き方をしよう。」と心に決め、実践してきたものの、まだ理性や頭の声に縛られてる自分もいた。
そもそも、行き先をバリ島に決めたのも、その頃の自分が、海でのアクティビティを欲していて、その心の声に従っただけだ。
凄く曖昧な願望だったし、別に、目的が明確にあったわけではない。
*ウブドの「Dewata Lounge」からの眺め*
バリ島のウブドに滞在中、
日本にいる時に、友達が申し込んでいたツアーに参加したことがあった。
ツアーと言っても、プライベートツアーというか、現地のガイドも出来るドライバーを雇ったという感じ。
因みに、ドライバーの名前は、「ワヤンさん」という。
実は、バリ島には、「ワヤン」という名前の人が、たくさんいるので、探し出すには、大変だ。笑
まあそれはさておき、
そのワヤンさんは、僕たちが行きたいところへと車で案内してくれて、バリ島の文化についても、チョコチョコ教えてくれた。
ワヤンさんは、日本語の読み書きはできないが、日本語と英語を話すことが出来る。日本人とは、長く接してるようで、よく日本人の性格や生き方をご存知の方だった。
「日本人は、ずっと忙しく働いてるでしょ。」
「ああやって、こうしてとか、色々計画立てて、予定びっしりの人が多いよね。」
「でも、バリ人の生き方は違うんだ。」
「休みの日も、朝起きてから、『今日は何しようか。』と、今日やることを決めるんだ。」
「仕事のアポイントメントは取るけれど、その日の気分でやること変えるんだ。笑」
車で移動してる時に、こういう話をする。
*キンタマーニから見たバトゥール山*
もし自分がこの言葉だけを聞かされていたなら、きっと、「あ、そうなんだ。」で、終わっていたかもしれない。
だが、ワヤンさんとは縁があって、ウブドにいる時は、3,4日くらい一緒に過ごしたんだけど、約束の時間に遅れてきたり、
予定の時間を30分過ぎても、来なかったので、電話すると、その予定のことを忘れていて、今自分の実家の村にいるから間に合わないとか言うし。笑
本当に、自由奔放に生きていたのだ。笑
だから、僕たちは、全然自分の計画通りには進められず、川の流れに乗るように、生きていくしかなかった。
でも、後から振り返ると、不思議なことに、意外と自分たちが行きたかった場所には行けているのだ。
そして、逆に、「自分の計画通りに生きない生き方」の方が、僕は楽しく感じてしまった。
変なストレスも感じないし、相手のミスも許容できるし、僕は、ワヤンさんと現地で一緒に過ごす中で、バリ人の方が、日本人よりも、自然に生きてるように感じた。
別に、ワヤンさんも、計画や予定を全く立ててないわけじゃない。
一応、予定は立てる。(全然その予定通り進まないが。笑)
その上で、あとは、当日に任せるのだ。
これって、今を生きていないだろうか?
今までの自分は、今を生きておらず、思考の中を生きていた。
常に先の予定を埋め、それをできる限り、その頭で立てた計画に沿って、実行していく。でも、人生は自分の計画通りに行かない。そこで、苛立ちやストレスを感じる。過去を患い、未来をあれこれ考え、常に自分は今にいない。笑
中学や高校に通ってる時は、先生から、計画を立てることの大切さを口酸っぱく言われ、真面目に計画を立てて、色々取り組んできたけど、
バリ島での経験をきっかけに、
・計画を立てない。
・予定をびっしり入れない。
僕は、そういう生き方へシフトした。
でも、自分の周りの友達は、いつも予定をびっしり入れたがっていたよ。
友達のスケジュールブックを見ると、毎日何かしらの予定が書き込まれているんだ。
そして、その空白を埋めることを努力していた。
それとは対照的に、僕のスケジュール帳は、
すっからかん。
月の半分は、空欄だ。
ある意味僕は、人生が自分の計画通りには進まないことに、サレンダーしたのかもしれない。
「計画をびっしり立てることの無意味さ」と、「計画通りに人生が進んでいくことのつまらなさ」を悟ったのだ。
それに、計画にスペースがある方が、ハプニングは起こりやすく、楽しい。
僕は、計画を立てることが、悪とか思ってない。
でも、現代日本人の多くは、計画に囚われ過ぎてるように思える。
「計画」というのは、「思考の世界」にしか存在できない。
予定は、あくまでも予定でしかない。
あの頃の自分よりも、今の自分の方が、より今を生きてることが多くなった。
それができるようになったのも、バリ島のウブドで「予定に縛られない」という生き方を学んだことが、大きかったように思う。
因みに、「ウブド (Ubud)」は、現地の言葉で、「薬」を意味する言葉で、海外からこの地へ多くの人がやって来るのも、この土地が持つ癒しの力を求めてくるとか、ワヤンさんは言ってた。
日本人は、バリ島に行っても、海(ビーチ沿い)しか行かないかもしれない。
でも、個人的には、ウブドが、バリ島の中で、1番好きだ。
*因みに、ウブドの「カフェ ワヤン (Cafe Wayan)」というレストランも、おすすめ。*
関連記事 : ヨセミテハイクから学んだのは、『人生は、過程を楽しむもの。』だということ。
コメントを残す